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新オズのリンキティンク
第十一幕その十

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「このラーメンもお花見の時に出るかのう」
「出ますよ」
 店員さんが笑顔で応えてくれました。
「秀吉さんのお願いで」
「それでか」
「大阪の名物はです」
 それこそというのです。
「全部です」
「出るのか」
「そうなんです」
「それはよいのう」
「はい、ですから」
 お店の人はさらにお話しました。
「皆さんもです」
「このラーメンを楽しんでよいのじゃな」
「そして他の名物も」
「それはよいのう、このラーメンもよいが」
 さらにと言うのでした。
「たこ焼きなぞじゃ」
「お花見の時にいいですね」
「そう思うしな」
「外で食べるたこ焼きもいいですよね」
「うむ」
 その通りだとです、リンキティンク王は笑顔で答えました。
「そう思うぞ」
「左様ですね」
「だからな」
 それでというのです。
「お花見の時はじゃ」
「こちらのラーメンにですね」
「他の名物も楽しんでな」
 そうしてというのです。
「たこ焼きもじゃ」
「楽しまれますね」
「そして飲みものもな」
 こちらもというのです。
「是非じゃ」
「楽しまれて」
「満喫するぞ」
「そして催しも観てだね」
 魔法使いがここで言ってきました。
「歌舞伎に浄瑠璃にね」
「落語や漫才に新喜劇にな」
「そうしたものも観て」
「そしてじゃ」
 そのうえでというのです。
「まさにな」
「そうしたこともだね」
「楽しんでな」
「満喫するね」
「そうするぞ」
 絶対にという返事でした。
「何があってもな」
「それではね」
「しかしじゃ」
 リンキティンク王はこうも言いました。
「この街は何でも親しみやすいのう」
「食べものも娯楽もね」
「そして人もな」
「全てがそうだね」
「この親しみやすさがな」
 それがというのです。
「わしとしてはじゃ」
「いいんだね」
「そうじゃ」
 こう魔法使いに言いました。
「何といってもな」
「私もだよ、庶民的と言えばね」
「そうなるな」
「あらゆるものがね」
「わしは王様であるが堅苦しいことは嫌いじゃ」
 リンキティンク王はご自身の好みのお話もしました。
「何といってもな」
「そうだよね、本当に」
「だから王宮におってもな」
「堅苦しいことはだね」
「せぬ」
 一切というのです。
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