第二十九話 家族その十
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「不思議にね」
「そうなんだね」
「それでビーストはね」
「僕達と一緒にいるみたいな」
「そんな感じよ」
「そのことをビーストに言うといいよ」
牙暁は目を閉じて述べた。
「皆と同じお友達だってね」
「ビーストに」
「うん、だからずっと一緒に助け合おうってね」
「お友達として」
「そうね」
その様にというのだ。
「言おうね」
「わかったわ、そうするわ」
颯姫は牙暁のその言葉にも頷いた。
「これからね」
「友情は友情でね」
颯姫にさらに話した。
「それ以外のものではないんだ」
「そうなの」
「そう、友情は時として諦めにもなるよ」
「諦めなの」
「そうもなるんだ」
こう話すのだった。
「これがね」
「わからないわ。どういうことかしら」
「それがわかる様になればね」
どうかとだ、颯姫に言うのだった。
「いいよ」
「考えていって」
「色々なことを経験してね」
そうもしてというのだ。
「そしてね」
「わかることね」
「そうなるといいよ」
「そうなのね」
「君はご両親とも一緒に時間を過ごして」
「地の龍の皆ともで」
「そしてビーストともね、特に」
牙暁はさらに言った。
「彼とはね」
「遊人さんと」
「そうだよ、それがわかれば」
それならというのだった。
「大きな一歩だよ」
「そうなの」
「君にとってね。君もまた運命を持っているけれど」
「地の龍として」
「若しかしたら」
彼女を見ての言葉だった。
「それが大きくね」
「変わるのね」
「そうかも知れないよ」
こう言うのだった。
「そして他の皆もね」
「運命が変わる」
「そうなるかも知れないよ」
「そうなのね」
「そうなるかも知れないとね」
ここでだ、牙暁は顔を上げた。そうして目を開いてそのうえで微笑んで颯姫に対してこう言ったのだった。
「思えてきたよ」
「貴方のその表情明るいけれど」
「そうなんだね」
「ええ、そうなったのは」
「彼を見てだよ」
「桃生封真のことね」
「彼が妹さんを殺さなかった」
まずこのことを言った。
「そして彼のままでいることが」
「最初のことはわかるわ」
颯姫は封真のこのことを牙暁に話した。
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