暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトス〜黒き守護者〜
クラス代表選出で………
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 放課後になり、ようやく寮に戻れると思ったところで事件が起きた。

「唐突で悪いが、今度行われるクラス対抗戦に出場するクラス代表を決める。クラス代表とはそのままの意味で、対抗戦だけでなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあ、一般校でいう学級代表だ。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点で大した差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると一年間変更はないからそのつもりで」

 一般校に通った覚えが全くないが、要は面倒な仕事なのだろう。だが、俺には黒髪の地味ウィッグがある。
 これは山田先生の部屋に住んでいた時に、彼女が女子校の出身だと言うことが判明した。

『やっぱり、女子校に通う女って男に興味を持つものなんですか?』
『ええ。特に風宮くんみたいな容姿だと間違いなく興味を持つと思いますね。逆に地味だとどうかわかりませんが………』
『じゃあ、目立たないために髪を染めて切ります』
『ま、待ってください! せめて染めるのは止めてください!』
『じゃあ、適当にウィッグでも買います』
『……ウィッグ、ですか? あ、それなら古いものが……』

 そして俺にそれを渡す山田先生。

『……やっぱり外してください。地味だと思います』
『いえ。これなら目立たないのでいいかと』
『ダメですよ! そんな格好だと女の子にモテませんよ!!』
『俺は別にモテたいなんて思ってませんし。自分がどんな存在か充分に理解しているので。それに、クラス代表とか決めないといけないみたいですし』
『で、でも―――』
『……わかりました。そこまで言うのならクラス代表が決まったら外します』
『本当ですか!? 絶対ですよ!!』

 という条件で俺はウィッグを借りた。
 そして今は効果があったようで次々と一夏に票が入る。

「では候補者は織斑一夏……他にはいないか? 自薦他薦は問わないぞ」
「お、俺!?」

 一夏は立ち上がると同時に女子たちが『彼ならきっとなんとかしてくれる』という期待が篭った眼差しを向けた。これで俺に票が入らなければ完璧だ。

「織斑。席に着け、邪魔だ。さて、他にはいないのか? いないなら無投票当選だぞ」
(早く決まれ早く決まれ)
「ちょっ、ちょっと待った! 俺はそんなのやらな―――」
「自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権などない。選ばれた以上は覚悟をしろ」
「くっ……。あ、そうか、なら―――」

 ―――バンッ!

「待ってください! 納得がいきませんわ!」

 いや、たぶん投票しても負けると思うぞ。
 なにせ向こうは珍しい男性操縦者だけでなく、イケメン。そしてそっちはただ高飛車な女。

「そのような選出は認められません! 大体、男がクラス代表だ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ