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第二十九話 家族その三

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「だからね」
「お父さん達も颯姫は大切でな」
「お友達が出来たら嬉しいわ」
「だから今言っているんだ」
「頭は凄くよくてスポーツは出来ても」
 颯姫のこれまでのことも話した。
「感情が乏しくて」
「友達もいなくてな」
「そのことが心配だったけれど」
「ほっとしたぞ」
「ほっとした。私にお友達が出来て」
 またわからないことを聞いたとだ、颯姫は思って言った。
「そうなのね」
「ああ、そうだ」
「物凄く嬉しいわ」
「だから日曜だな」
「おもてなしさせてね」
「それじゃあ」
 颯姫は心から喜んでいる両親のことがわからないまま頷いた、そしてその日曜に地の龍の面々庚も入れた彼等をだった。
 自宅に連れて来て両親に紹介すると両親は娘から話を聞いた時以上に喜んで彼等を進んでもてなしてだった。
 地の龍の面々に娘のことを聞いた、まずは遊人が答えた。
「颯姫さんはとても素晴らしい人でして」
「そうなのですか」
「うちの娘は」
「いつも助けてもらっています」
「僕達の大切なお友達です」
 ??も微笑んで話した。
「本当に」
「そうですか」
「大切なですか」
「それもいつも助けてもらっている」
「そんな風なんですね」
「僕はお友達になってまだ僅かですが」
 星史郎も話した。
「素晴らしい人だと思います」
「俺、いや私もそう思います」
 草薙は仲間内のことではないので一人称を礼儀正しくさせて話した。
「颯姫さんは頼りになる友達です」
「本当に頑張ってくれるので」
 庚も話した。
「娘さんとはこれからもです」
「そうですか、友達として」
「娘と仲良くしてくれますか」
「むしろこちらこそです」
 庚は二人にさらに話した。
「助けてもらっています」
「そうなんですね」
「うちの娘に」
「はい」
 正直に答えた。
「娘さんとお友達になれて嬉しいです」
「それは何よりです」
「今までこうしたことはなかったので」
 両親は心から言った。
「ではこれからも」
「娘をお願いします」
「こちらこそ」
「それでなのですが」
 遊人はその両親に笑顔で尋ねた。
「颯姫さんはお二人にとっては」
「素晴らしい娘です」
「私達の子供です」
 昇進は遊人の問いに即座に答えた。
「生まれた時からです」
「掛け替えのない娘です」
「無事に生まれてくれてです」
「これまで育ってくれてそれだけで嬉しいです」
「非常に優秀な方ですが」
 遊人は二人が颯姫をその能力故に愛しているのかとその言葉を巧みにカモフラージュしたうえで尋ねた。
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