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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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 先輩達の卒業式の日を迎えて、もう、前に追い出し会はお好み焼きみよちゃんで済ませていたんだけど、式が終わったらクラブの皆で集合写真を撮ろうと、私達はコートの隅で先輩達を待っていた。もう、この前も充分、写真も撮ったんだけど・・・小さな花束も用意していたのだ。

 卒業生たちは皆揃って来てくれたんだけど、璃々香先輩の姿が見えなくて

「璃々香先輩は?」と、西田先輩に聞いたら

「えっ さっきまで 私と一緒だったんだけどねぇー」

「あぁ 璃々香なら 校門のほうに小走りで行ったわよ 呼び止めたんだけど、振り向きもしなかったわ なんか 気になることがあるんじゃぁない」と、多田先輩が言ってくれたのだ。

 私は、急いで、校門を目指して走って行って 居た 学生課の先生と話していた。

「なんで 来てくれないんですか? どうしてぇー?」と、私は叫び声に近かった。

「山葵っ もう お別れしたしね! あんまり、キリがないのもね!」と、璃々香先輩は、こっちを見ようともしてなかったのだ。

「だって こんなお別れって 悲しいじゃあないですかぁー」と、私は、泣けてきていた。

「ほらぁー 直ぐに 泣くぅー 私 そんなの嫌なのよ」

「でも・・・ 泣いたって、いいじゃぁ無いですか! もう 先輩にしごいてもらえないしー 探してもコートにも居ないんですよ!」

「山葵 もう・・・言わないで・・ 私の 涙 見たいの?」

「・・・いいじゃぁないですかー 妹みたいに思っているって ウソだったんですか? ウチの前だったら 一度ぐらい 涙見せても・・」と、私は、もう、璃々香先輩に抱きついていた。

「山葵 強くなってね 私 山葵に嫉妬して 一度、意地悪したことあるのよ ごめんなさい だけど、それでも山葵はそれを乗り越えて、私についてきてくれたわ ありがとう 一緒にプレー出来て楽しかったワ」と、璃々香先輩も私を抱きしめながら泣いていた。初めてなのだ璃々香が泣いているのって。

「先輩 私を鍛えてくれたじゃぁないですか 辛かったけどー 私 感謝してます だからー 来年 先輩の後を追いかけて行きます むずかしいかも知れないけど全国大会の 頂点の勲章を持っていきます また、一緒にコートに立ちたいです」

「ふふっ あなたなら 大丈夫よ 全国だってー 楽しみに待っているわ だけど、身体のケァだけは絶対に忘れないでネ 私と西田 見てきたでしょ? 特に、山葵とみく美は無理してきてるからネ」

 そして、先輩は襟元のリボンをはずして、私の手に握らせていたのだ。 
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