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俺様勇者と武闘家日記
第3部
ルザミ
ただ一人の罪人
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て感嘆の声を上げるセグワイアさん。何か言おうとしたナギを押しのけ、割って入ったユウリがセグワイアさんに尋ねた。
「聞いたぞ。あんた昨日、罪人だった島民はほとんどいないとか言っときながら、実は自分が罪人だったんだってな?」
 もうちょっと穏便な言い方は出来ないのだろうか。まあ、もし仮にセグワイアさんが怒って何かするとしても、ユウリなら何とかしてしまうだろう。とはいえヒヤヒヤしながら、私は二人を見守る。
 けれど結局、セグワイアさんが怒ることはなかった。
「……フィオナから聞いたのか。まあ、旅人さんにわざわざ言うことでもないから言わなかったんだ。わしはもともとサマンオサで国庫を管理する役人でね。もう10年以上も前、当時サマンオサの上の連中にいいように利用されてな、とんだとばっちりで島流しに遭ったのさ」
「サマンオサ?」
 どこかで聞いたことのあるような地名に、私は思わずユウリに視線を向ける。
「確かここから北にある大陸がサマンオサ大陸だったはずだ。そこそこ大きな都市だった気がするが。というかお前、なんでそんなにピンとこない顔をしてるんだ」
「えーと……、聞いたことはあるけど……」
「勇者サイモンは、この国の出身だ」
「あ!!」
 そういえば、なんとなくそんなことを聞いたような気がする。
「なあ、あんたは役人だったんだろ? 当時サマンオサでこういう形の剣を提げた人物を見なかったか?」
 ユウリはセグワイアさんに、あらかじめ借りてきたガイアの剣の挿絵が載っている本を見せた。するとセグワイアさんはしばらくその挿絵をじっと見つめた後、はっと頭を上げた。
「この剣……、見たことあるよ」
「本当ですか!?」
 思わぬ収穫に、私たちは一様に目を丸くする。
「どこで!? どこで見つけたの!?」
 シーラが急かすように尋ねるが、セグワイアさんは落ち着いた調子で話し始めた。
「確かサマンオサの城にいた時、その国から魔王を倒すために旅に出るという若者が国王に拝謁するってことになってな。その時にやってきた若者の腰に提げていたのがこの剣だったんだ。随分と立派で目立っていたから、よく覚えてるよ」
「魔王を倒すために旅に出る若者……。それってやっぱりサイモンさんのことなんじゃ?」
 私の問いに、セグワイアさんはうーんと首をひねった。
「何しろ10年以上前のことだからなあ。それにわしは、そのあとすぐこの島に来たから、彼が君たちが知っているほどの有名人だってことも知らないんだ。けど、確かに魔王討伐の命を国王様から命じられたとき、そんな剣を持っていたのは覚えてるよ」
『……』
 勇者サイモンがサマンオサの国を出るときには持っていたガイアの剣。そのあと魔王の城を目指してネクロゴンドまで行ったが、途中魔王軍に襲われ、仲間とともに散り散りになった。以来消息
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