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神々の塔
第二十九話 星の女神その十一

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「身内で殺し合う家でな」
「あの人は特にそうで」
「平家もどうかと思う家臣も皆殺しでな」
「身内にもやで」
「義仲さんや義経さんやな」
「そんな頼朝さんと比べたら」
 それこそとだ、綾乃はテキーラを飲みつつ話した。
「信長さん優しいで」
「血を好まんな」
「その実は」
「神仏も信じて殺戮も好まへん」
「それで家臣の人達にもやねん」
「実は優しかったらしいな」
「民の人等にも慕われてたし」
 これは彼の善政の結果である。
「ええ人やったみたいやで」
「総合的に見てな」
「そやったで」
「ただ傾いていただけやな」
「若い頃の振る舞いにしても」
 尾張の大うつけと言われたその頃のこともというのだ。
「あれは傾いていてん」
「傾奇者やったな」
「要するにそやってん」
「言うならファッションやな」
「そやってんで」
「実情はかなりちゃうな」
「これまで言われてた信長さんは」 
 その彼はというのだ。
「実はやねん」
「そうした人やったな」
「そして」
 綾乃はさらに話した。
「そんな人やからこっちの世界でも神霊さんやね」
「そやな」
「ちなみに男の人も好きやったのは」
「事実やな」
「はっきり歴史に書かれてるから」
 男色をたしなんでいたこともだ。
「というかそれを批判されることもなかったし」
「日本ではな」
「もうそれはやで」
「何が悪いか」
「ほんまそんな話で」
 日本ではというのだ。
「信長さんにそんなこと言うてもな」
「何でやってなってたな」
「そやで」
「というかそっちの趣味無くてもな」
 中里も首を傾げさせて言った。
「別に悪いことでもないやろ」
「同性愛は」
「キリスト教とかのそうした考えの方がな」
「うち等から見たら何でやね」
「そやな」
 こう綾乃に述べた。
「ほんまに」
「いや、それがよ」
 キリスト教徒それも伝統的と言っていい教理を持っているカトリックの信者であるアレンカールが言ってきた。
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