第二十九話 星の女神その九
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「商の頃はあったけどな」
「人柱みたいにお墓に一緒に入れてたな」
「偉い人が死んだらな」
こうリーに話した。
「王様とかな」
「奴隷をそうしてたな」
「あれも生贄みたいなもんやな」
「そや」
リーもその通りだと答えた。
「そう考えてや」
「ええな」
「私もそう思う、それでキリスト教でもな」
「否定されてるな」
「その代わりにパンとワインをや」
この二つをというのだ。
「捧げてる」
「肉と血の代わりにやな」
「そうしてる」
「そやな」
「生贄は効果がないで」
リーは言い切った。
「私が思うに」
「うちもそう思うわ」
綾乃も言って来た。
「人柱ってあるけど」
「日本でもな」
「あれやっても」
「意味がないな」
「結構長い間やってたけど」
人柱、何かを築く際に人をそこに埋めたりして行うものだ。城や橋にそうした話が時折確認されている。
「意味ないっていうか」
「むしろやな」
「人柱になった人の怨念が祟って」
「よからぬことになるな」
「そうなるで」
「実際にそうした話があるな、日本では」
「松江城とかやね」
この城には実際にそうした話がある。
「奇麗なお城で」
「この世界にもあるな」
「けど起きた世界やと」
こちらではというのだ。
「そのお話があって」
「祟ってな」
「城主さんのお家が潰れたっていうわ」
代々早世したという。
「そやから」
「かえってな」
「生贄とかしたら」
「祟りの元やな」
「そんなんにされたら絶対に怨み飲むから」
そうして死ぬもっと言えば殺されるからだというのだ。
「ほんまに」
「祟るな」
「それで毛利元就さんは」
この戦国大名はというのだ。
「代わりに字を刻んで」
「それをお城に入れたな」
「織田信長さんは使われてへん墓石や地蔵さんを石垣にしたわ」
「あれは神仏を敬わへんのでなくて」
「その霊力を結界にして」
実はそうであったという説がある。
「お城の力にしてん」
「信長さんもやな」
「この人達道理がわかってるさかい」
「人柱もせんかったな」
「元就さんは色々したけど」
謀略の限りを尽くしたことで知られている、暗殺を行ったり粛清させる様にしたり敵の城兵達を除名すると偽って投降させ皆殺しにしたこともある。
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