第二十九話 星の女神その七
[8]前話 [2]次話
「そこまではよかったが」
「それでもな」
「そうなったのを見てもな」
「何故それだけの弟神を誘って引き連れたか」
「自分に弱点があるのがわかってたとも考えられる」
「そしてその弱点は」
「接近戦に弱い」
まさにこのことがというのだ。
「弱点や」
「そもそも星を使うなら」
「強力な攻撃でな」
「それを使えばかなり強いさかい」
「接近戦、武器を使ったそれはな」
「必要なかったな」
「そや、そこを衝けば」
その様にすればというのだ。
「勝てると思ったが」
「その通りになったな」
「読みが当たった、それで勝った」
「そやな、流石やな」
シェリルはその読みを見せて自分達に実行させて勝利を収めたリーに対して微笑みを向けそのうえで話した。
「私等の中で最も知識と教養がある」
「それでか」
「それを発揮してくれるな」
「そうしたモンやからか」
「だからな」
それでというのだ。
「今回もな」
「そう言ってくれるか」
「流石とな」
「確かに。よくやったわよ」
敗れた当のコヨルショウキ自身も言って来た、しかも笑って。
「私が接近戦出来ないことを見抜いて仕掛けて来るなんてね」
「どんな存在も弱点があるんで」
「それでなのね」
「はい、貴女についてはです」
「私本当に武器はね」
「扱えないですね」
「術や星は使えても」
それでもというのだ。
「短刀だって持つだけで」
「使えませんか」
「武芸の才能はないのよ」
全くというのだ。
「本当にね」
「そうですね」
「弟と比べたら」
「ウィツロポチトリ神ですね」
「もう雲泥の差よ」
自分で言うのだった。
「こと武芸においては」
「そうですね」
「だからね」
それでというのだ。
「私の懐に飛び込んで仕掛けて来たことはね」
「勝つ為の手段ですか」
「最高のね、じゃあね」
「はい、先にですね」
「行くといいわ、先はまだ長いけれど」
それでもというのだった。
「健闘を祈るわ」
「わかりました」
リーが頷いて応えた、そうしてだった。
一行は宿屋に戻って身体を清めた、そのうえで乾杯をしたがここでトウェインはテキーラをロックで飲みつつジト目になって呟いた。
「しかしコヨルショウキ神の話はな」
「起きた世界のやな」
「ないわ」
リーに飲みつつ話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ