暁 〜小説投稿サイト〜
ハッピークローバー
第八十九話 夏休みの宿題その一

[8]前話 [2]次話
               第八十九話  夏休みの宿題
 かな恵はバイト先で店長にこんなことを言われた。
「もう宿題終わらせた?」
「夏休みのですか」
 かな恵は宿題と言われてこれかと思い答えた。
「それですか」
「ええ、どうなったの?」
「終わらせました」
 かな恵は正直に答えた。
「もう」
「そう、それは何よりね」
「私も終わらせました」
「私もです」
「私七月中に終わらせました」
「私はお盆前でした」
 一華と富美子、留奈と理虹も答えた。
「もう全部終わってです」
「楽になってます」
「合宿の間もしてましたし」
「もう皆終わってます」
「そういうのは早いうちに終わらせないとね、私だってね」
 店長は眠そうな目で口元をにかっとさせて言った。
「夏休むとか冬休みの宿題は早いうちにね」
「終わらせてたんですか」
「やるべきことは最初にやらないと」
 かな恵にその笑顔で話した。
「後で残ってると面倒なことになるからね」
「夏休みの宿題最後にやるとか」
「そういうの嫌いだから」
「もう早いうちにですか」
「終わらせてたのよ」
「店長さんそうだったんですね」
「あんた達と同じね、部活から帰ったら」 
 夏休みのというのだ。
「いつもね」
「宿題してましたか」
「運動したら頭の回転が早くなるでしょ」
「あっ、身体動かして気分転換になるんですね」
「一旦頭の中がすっきりするしね」
 運動すればそうもなるからだというのだ。
「だからね」
「それで、ですか」
「部活から帰ったら」
 そうしたらというのだ。
「いつもね」
「宿題やってたんですね」
「そうなのよ、それでね」
 そのにかっとした笑顔でさらに話した。
「彼氏とも一緒に宿題したりもしたわ」
「彼氏さんと」
「ええ、ただ二人でいたら」
「あっ、まさか」
「そうよ、ゴムはいつもね」 
 これはというのだ。
「欠かせなかったわ」
「そうですか」
「私は何も思わなくても」
「相手の人がですか」
「男は中学高校は猿よ」
 こうも言うのだった。
「まさにね」
「もうそれこそですか」
「付き合ってたらね」
「それで一緒にいたら」
「頭の中そういうことで一杯だから」 
 それ故にというのだ。
「部屋に入ってすぐにでもね」
「そうしたことをですか」
「するのよ」
「そうですか」
「最悪押し倒してくるから」
「えっ、本当ですか?」
「本当よ、宿題していたらいきなりよ」
 店長は目まで笑わせて話した。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ