タブー
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いる、背丈も体格も似たような人物が問いかける。それに青年はニヤリと笑って答えた。
「あぁ。まぁこの大会は無理だろうが、すぐに元通りになると思うぜ。たぶん・・・半年くらいすれば」
「それはすぐとは言わないと思うが・・・」
最後の歯切れの悪さが気になったがそれ以上は追求することはできなかった。そして今度は赤髪の青年が問いかける。
「ただ、バトルパートは変更が入った。本当は三日目に回ってほしかったが、明日のバトルパートをこいつがやりたいって言うからよぉ」
そう言って指をさしたところにいるのは黒装束を纏った人物。彼はすでに明日のことで頭がいっぱいなのか、わずかに見える口元が緩んでいた。
「となると明後日からはどうなる?」
「三日目の競技パートのターゲットを変えるかもな。その時は競技も変えざるを得ないが。それに・・・」
黒装束の人物へ視線を向けた後、深いタメ息をついて再び話し始める青年。
「三日目のバトルパート。ここも変更が必要だ」
大会運営のパンフレットを投げ捨てながら頭を悩ませたように首を振る青年。その気の毒さに大柄の男と隣いる人物は哀れみの視線を向けていた。
「まぁ、気にすることはねぇ。いくらでも対策はあるからな」
ただ、それでも青年は嫌な顔を見せることはしなかった。まるで手立てはいくらでもあると言わんばかりのその姿に三人は唇を結び、頷く。
「明日も重要な戦いになる。特に競技パートは相当難しいが遂行してもらわなければならない。いけるよな?」
「無論」
鋭い眼光を送る青年に静かに答える大男。それに満足げな表情を見せた青年は全員に目配せをすると、扉を開き、周囲に人がいないことを確認してからその場を立ち去った。
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