暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第164話:いざ、内なる世界へ
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姿に、エルフナインもそれが記憶ではなくマリア自身の意識であると漸く理解した。

「突破する!」
「はい!」

 マリアが血路を切り開き、エルフナインが手を引かれてノイズの包囲網から突破する。

 一見起死回生を測れているように見えて、しかしその実現実世界ではそう簡単に事が運んでいる訳では無かった。

「これは……!?」

 あおいが見ている前で、マリアのコンディションが次々と危険を訴えていた。やはり意識の中でとは言え、派手に暴れるのは賢い選択ではなかったのだ。自分で自分の内側を傷付ける行為は、どんな理由であれ褒められたものではない。

 それに気付かず意識下の荒廃した街中を駆け抜けていたマリアとエルフナイン。道すがらマリアはエルフナインに奏の事を訊ねた。

「そう言えば、奏の方はもう見たの?」
「いえ、奏さんの意識にはまだ……」
「全く、一体どこで何やってるのよ……!」

 思わず愚痴ったその時、物陰から何かが飛び出した。新手のノイズかとマリアが身構え迎え撃ったそれは、ノイズではなくギアを纏った奏であった。

「奏ッ!?」
「おらぁっ!」
「ちょっ!?」

 有無を言わさずアームドギアを振り下ろした奏。寸でのところで回避したマリアだが、奏の一撃は地面を砕き大穴を空けた。マリアとエルフナイン、そして大穴を空けた張本人である奏もその穴の中へと消えていく。

「なぁぁぁぁぁぁっ!?」
「わぁぁぁぁぁぁっ!?」

 3人が落ちていった先にあるのは、昼か夜かも分からない暗い場所。誰のどの記憶から作られたのかも定かではないこの場所に、元の姿に戻った奏とマリア、そしてエルフナインの3人はいた。

「い、つつ……どういうつもりよ奏」
「悪い悪い。ただ、あれだ。つい最近他人の中に入った経験から言わせてもらうと、あんまり派手に暴れるのは良くないと思ってな。ちょっと無理矢理だったけど、場所を変えさせてもらった」

 颯人のアンダーワールドで暴れたと言うレギオンファントム。その時の事をガルドから聞いていた奏は、内面世界での迂闊な戦闘は危険であると言う事を理解していた。故に、多少強引だったが戦闘行為を止めさせる為に起こした行動だったのだ。

 それにはエルフナインも理解を示してくれた。

「なるほど……ところでここは?」

 見渡す限り薄暗く、あまり光も見えない。だが手を伸ばせば触れる感触から、それが石造りの何かの中だと言う事が分かった。

 奏は近くの壁に触れながら、それが何なのかを察し口を開いた。

「ここは……そうか。ここはアタシの記憶の中だ。強引に場所を変えた時に、2人をアタシの記憶の中に引っ張り込んだらしい」

 そこまで話して奏は前方に顔を向けた。釣られてマリアとエルフナインがそ
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