暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第164話:いざ、内なる世界へ
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ければならないと言う事になる。
思わず冷や汗が流れる。意識だけなのに冷や汗が流れると言う考えもおかしいかもしれないが。
その後、エルフナインはマリアが経験した出来事をダイジェストの様に見ながら体験していた。
試作品のLiNKERを飲まされ、機械に繋がれ、戦う為の力を身につけさせられる。子供が経験して良いものではない過酷な体験を通じながら、エルフナインはギアと繋がる脳の領域を必死に探していた。
そんな中、彼女はある事に気付く。ここまで自分はマリアの記憶が作り出した心象しか見ていない。しかし奏も同じ機械に繋がり、意識を共有している筈。
奏は一体どこに…………?
そう考えていると、唐突に周囲の景色が変わった。破壊され荒廃した街中。人の気配が存在しないそこに居たのは、嘗て猛威を振るっていたノイズ達。
「これは、ノイズの記憶ッ!?」
迫る無数のノイズ達を前に、エルフナインは慌てて逃げ出した。もしここで彼女が死んだりしようものなら、現実世界の彼女も二度と目覚める事は無い。意識だけが死んでいる、脳死に近い状態になる。そんなのは御免だった。
だが悲しいかな、意識状態でもエルフナインは荒事に向いていない。破壊され荒れ果てた街中を走るには、体力も身体能力もあまりにも足りなかった。
「あっ!?」
足を瓦礫に取られて転ぶエルフナインに、ノイズ達が獲物に群がるありの様に殺到した。
すぐそこまで迫って来たノイズの集団に、どうすればいいかと半ば絶望しながら必死に頭を働かせる。
その時周囲に清らかな歌声が響き渡った。
《color:#d4d4d4》「Seilien coffin airget-lamh tron」《/color》
歌声が響き渡った直後、上空から無数の光の刃が降り注ぎノイズ達を切り裂き打ち倒した。衝撃から顔を守っていたエルフナインが手を下ろすと、そこにはアガートラームのシンフォギアを纏ったマリアの姿があった。
「マリアさんッ!」
「……幾ら相手がエルフナインでも、想い出を見られるのはちょっと照れ臭いわね」
「あの、何時の記憶の、どのマリアさんですか?」
そうは訊ねるが、今の状態のマリアは期間的にかなり限られる。少なくともここ最近のマリアである事は間違いない。
だがその前提がそもそも間違っていた。今ここに居るのは記憶の中のマリアではない、正真正銘、今を生きるマリアそのものであった。
「一緒に戦うって約束したばかりでしょ? この場に意識を共有するのは、居るのはあなただけじゃない。私の中で私が暴れて、何が悪いッ!」
マリアは駆け出すと、周囲の蔓延るノイズを次々と切り裂いていった。素早い動きで、意識の存在とは言えノイズを切り裂くマリアの
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