暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第164話:いざ、内なる世界へ
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しないのか?」
「それは大丈夫です。言うなれば、その仮想空間は幾つもの部屋が隣り合った状態。アイデンティティと言う壁で隔てられているので、お2人の意識や記憶が混ざり合うと言う様な事にはなりません」
それを聞いて安心した。3人はシートに深く腰掛け、体から力を抜きリラックスした姿勢になる。
準備が出来た事を確認し、あおいが装置を起動させた。
「いいわね、いくわよ」
装置が起動し、3つ並んだシートの後ろにある機械が唸りを上げ錬金術の作動を意味する紋章が浮かび上がる。
3人の意識が接続されると、エルフナインの意識が見ず知らずの景色の場所へと飛ばされた。
――ここは……?――
周囲を山と木に囲まれた一面の花畑。耳を澄ませば、誰かの歌声が響き渡っている。その歌が聞こえる方に目を向ければ、そこに居るのは2人の幼い少女の姿。
その少女の姿にエルフナインはマリアの面影を見た。
「これが、マリアさんの脳内? 記憶が描く心象風景」
これが実際に存在する場所なのかは分からない。マリアの記憶から作り出された、理想の場所と言う可能性も否定できなかった。
そこに1人の女性が姿を現した。厳しい表情をした、顔に皺の目立つ女性。エルフナインは直接目にした事は無いが、その女性はナスターシャ教授だった。
ナスターシャ教授が幼少期のマリアに手を伸ばす。その時には既に周囲は穏やかな花畑から一変、無機質な壁と床に囲まれた部屋と化していた。
その部屋には幼いマリアとセレナの他にも数人の子供達が居て、誰もが不安そうにナスターシャ教授に手を掴まれたマリアを見ている。
エルフナインを含め子供達が見ている前で、ナスターシャ教授はマリアの腕に持っていた鞭を叩きつけた。
「ヒッ!?」
「痛ッ!?」
マリアが腕を鞭で打たれたと同時に、エルフナインの腕にも鋭い痛みが走る。何かと思いエルフナインが白衣の腕をまくって見れば、そこにはマリアの腕につけられたのと同じ傷がついていた。
「どうして……!」
「今日からあなた達には、戦闘訓練を行ってもらいます! フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは、涙より血を流す事で、組織に貢献するのです!」
ナスターシャ教授の言葉に、その気迫に、マリアの後ろにいたセレナが不安に顔を姉の背に埋めた。
エルフナインはそれを見て、マリアの腕と自分の腕を交互に見て、この場で起きている事を理解した。
――意識を共有しているからには、記憶と体験は僕にも及ぶ――
つまり、ここでマリアが受けた傷もエルフナインに反映されると言う事。F.I.S.時代のマリアは過酷な経験を重ねてきたと言う。それを考えればこれからはエルフナインもそれと同じ過酷な想いをしな
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