友人のジレンマ
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、こんな遠くまで来ていたの!?」
ゼラニー達より背の高いコール星人が現れる。
「「お母さん!」」
現れたコール星人はゼラニー達の母親であり、2人を抱きしめる。
「まったく、私達を心配させただけじゃなく、他所の星の家庭にまで迷惑かけるなんて、ダメじゃない!でも、2人が無事で本当に良かった!」
ゼラニー達の母は泣きながらゼラニー達を抱きしめ、
「それにしても、貴方には母親の愛情というものは無いのかしら?」
ゼラニー達の母はアキヒサの母を睨む。
「何それ?私達はエリートなの。いてもいなくても変わらないゴミは捨てて、優秀な遺伝子を残すのが、エリートの使命なの。そんな出来損ないの子供を持って、愛情とかどうでもいいものを大切にしている貴方では解らないことよね。」
アキヒサの母は見下すように言う。
「確かに優秀であることは大切よ。でも、心を大切にできないならその優秀な頭脳は、本当に人の頭脳と呼んでいいものなのかしら?犯罪心理学において、犯罪者の多くは心の教育が疎かな環境で育ったケースが大部分を占めている統計もあるわ。」
ゼラニー達の母は反論する。
「心なんかで大企業は務まらないわ。エリートは大企業で有象無象を扱うのが仕事なの。心なんてむしろ邪魔なものよ。」
「そう云う貴方自身が、一番心を捨てられていないのでは?」
「何よ!私のどこが!」
「そうやって、自己保身のために怒鳴り散らして周りに恐怖心を植え付けようとしている所なんて、心がなければできないことよ。」
「無能達はそうしないと使い物にならないでしょ!」
ゼラニー達の母の指摘に、アキヒサの母は声を荒らげる。すると、
「それくらいにしておきなさい。これ以上は襤褸が出るぞ。」
ダンよりやや年上の老人がやってくる。
「お義父さん、どうしてこちらに!」
老人を見てアキヒサの母は狼狽える。
「息子から常々相談を受けていたんだ。君のアキヒサに対する行いは、母親の教育から大きく逸脱していると。アキヒサ、もう少し早く来れなくて、すまなかったな。」
老人はアキヒサに頭を下げる。
「お祖父さん、俺は平気だよ!それより、暫く会えなくてごめん。」
アキヒサは祖父である老人、アマギに抱きつく。
「頑張ったな。ダン、久しぶりだが、元気そうでよかった。」
アマギはダンに微笑む。
「アマギ隊員、久しぶりですね!」
ダンもかつての仲間との再会に心を打たれる。そんな中、
「奥さん、児童虐待の容疑で、署まで御同行お願いできますか?」
警官はアキヒサの母に話しかける。
「なんでよ!どうしてエリートである私が警察に行かないといけないのよ!」
アキヒサの母は暴れる。
「公務執行妨害で、署まで来てくださいね。」
アキヒサの母は取
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