第百十話 咲が気に入った服装その六
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「全くです」
「されたことがないんですね」
「生きていて」
こう言うのだった。
「そうです」
「そうなんですね」
「公務員にもです」
「じゃあ自衛官や警察官といった人達とは」
「お付き合いはありますが」
「お客さんですね」
「そうですね」
それが表の仕事そして密かな仕事両方尚且つ政府単位でそうであることをだ、速水は咲に隠して話した。
「私は。ですが」
「その中に入ったことはですか」
「働いたことはありません」
「ずっと占い師さんなんですね」
「神戸のです」
速水はここでこの街の名前を出した。
「八条学園の本校に入学して」
「高校そちらで」
「そこで縁あってです」
そうしてというのだ。
「占い師になり」
「この渋谷で、ですね」
「お店をやらせてもらっていますが」
それでもというのだ。
「そうしたお仕事はです」
「経験ないんですか」
「はい、私は」
「そうなんですね、店長さんは」
「お付き合いをしてお話を聞いていましても」
それでもというのだ。
「私はです」
「表の世界で真面目にはですか」
「暮らしていません。そして小山さんを見てですが」
今度は咲に対して言ってきた。
「性格的にも表の世界で真面目に生きるべきですね」
「私もそう思います」
真剣な顔と声でだ、速水に答えた。
「白い詰襟も見て思いました」
「八条学園の制服の一つですね」
「本来は海自さんの夏の礼装ですね」
「そうです、とても格好いいですね」
「ああした服が一番です」
まさにとだ、咲は答えた。
「恰好いいって思います」
「そうです、アウトローよりもです」
「自衛官の人達や軍人さん達の方がですね」
「恰好いいと思えるなら」
それならというのだ。
「表の世界で真面目にです」
「生きることですね」
「それがいいです、このお店も私はどうでも」
速水自身はというのだ。
「基本表の世界で真面目ですから」
「いいんですね」
「そうです、世の中曖昧なものも多くありますが」
それでもというのだ。
「健全なのがです」
「一番ですか」
「はい、健全でありある程度曖昧も認める」
「それでいいんですね」
「そうです、そして」
速水は咲にさらに話した。
「お付き合いする人も」
「そうした人達の方がいいですね」
「左様です、そして」
「そのうえで、ですね」
「小山さんは結婚されたいでしょうか」
咲にさらに聞いてきた。
「どうでしょうか」
「したいです」
咲ははっきりと答えた。
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