第百十話 咲が気に入った服装その四
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「何と言ってもね」
「軍人さん達よね」
「真面目でやることをやる」
「いつもぴしっとしてて」
「それが恰好いいのよね」
「真面目に生きている人達こそね」
咲はさらに言った。
「一番恰好いいわね」
「咲っちの言う通りね」
「自衛官の人達もそうで」
「お巡りさんもよね」
「もっと言えば真面目に働いている人皆」
「そんな人達こそ恰好いいわね」
「スーツも作業服も恰好いいわね」
咲はサラリーマンや工場員も思い出した。
「お百姓さんも」
「汗水流して働いている」
「その姿確かにいいわね」
「やっぱり真面目が一番恰好いい」
「そうなるわね」
「今そのことがはっきりわかったわ」
咲は確かな声で言った。
「私もね」
「私もよ」
「私だってそうよ」
「そのことわかったわ」
「自分でね」
「悪いことしたり碌でもないお仕事をしても」
それでもとだ、咲はまた言った。
「全然恰好よくないわね」
「むしろ恰好悪い」
「最悪よね」
「そんな恰好しても」
「それでもね」
「そう思うわ、正装なんてね」
タキシードを思い出してだ、咲はこちらの話をした。
「もう憧れるわね」
「男の人でもね」
「もう紳士って感じで」
「それもいいわね」
「そうしたファッションも」
「そのことわかったわ、真面目が一番よ」
ファッションでもとだ、咲は言い切った。
「本当にね」
「その通りね」
「何と言っても」
「そのことはね」
「わかってないとね」
「駄目なことよね」
「前からそうしたファッション好きじゃなかったけれど」
それでもとだ、咲はあらためて言った。
「最近特にね」
「わかってきたわね」
「私達もね」
「そうなってきたわね」
「これも成長かしらね。ファッションは人それぞれでも」
その好みはというのだ。
「真面目が一番恰好いい」
「働ている姿がね」
「刺青入れて風切ってるのが恰好いいんじゃなくて」
「そういうのが一番恰好いいのよね」
「そうよね」
こうした話をしてだった。
咲はクラスメイト達と制服の話をさらにしていった、そして真面目な仕事をする人達の恰好よさを。
そしてバイト先でもその話をすると話を聞いていた速水が言ってきた。
「その通りです、真面目に働いている姿こそがです」
「一番恰好いいんですね」
「だから軍服も制服も格好良く」
速水は咲の言ったことをそのまま主張して述べた。
「スーツや作業服もです」
「恰好いいんですね」
「そうです、真面目こそがです」
まさにというのだ。
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