第十一幕その五
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「もう誰よりもや」
「笑っておったか」
「笑う人と聞いてたけど」
それでもというのです。
「噂以上にや」
「わしは笑っておったか」
「そやったわ、そやからな」
それでというのです。
「ちょっと話がしたくてな」
「それでか」
「今から楽屋でお話がしたくなってな」
「来てくれたのか」
「そや、ミックスジュース飲みながら話すか」
「あのジュースか」
「わしの好物でな」
笑顔で言うのでした。
「いつも飲んでるけどな」
「それを飲みながらか」
「お話しよか、今ノムさんも来てるで」
「あのキャッチャーのか」
「あの人も来ててな」
「皆でか」
「ミックスジュースを飲みながらや」
そうしつつというのです。
「話をしよか」
「そうしてよいか」
「わしはな、ほなな」
「うむ、そこまで言ってくれるならな」
「こっちやで」
早速でした。
リンキティンク王は皆をご自身の楽屋に案内しました、するとそこにはスーツ姿で小さめの目でし下膨れの大柄な人もいました。
その人はリンキティンク王を見て少し苦笑いになって言いました。
「何や、人が増えて窮屈になるわ」
「あんたいつもそう言うな」
「そうも言いますわ」
その人は寛美さんに苦笑いのまま言いました。
「わしは昔寛美さんに顔が似てるて言われてましたさかい」
「ほんま似てるしな」
「そうですな、しかしまあしゃあないですわ」
ここでこうも言ったのでした。
「顔のことは。それに」
「それにやな」
「人が増えても」
そうなってもというのです。
「まあしゃあないってことで」
「ほなな」
「皆でミックスジュースを飲みながら」
「お話しよな」
「そうしましょか」
こうお話してでした。
皆寛美さんが出してくれたミックスジュースを飲んでです。
お菓子を食べつつお話します、そこでスーツの人は野村克也さんだと名乗りました、そうするとでした。
ナターシャ達五人は目を輝かせて言いました。
「あの名監督の」
「名キャッチャーで」
「しかもスラッガーだった」
「ID野球の」
「まさかと思いましたが」
「おお、こんな子供等もわし知ってるか」
野村さんは五人の言葉に笑って応えました。
「わしはずっと月見草やったけどな」
「そうですよね、野村さんは」
「月見草ですよね」
「ご自身がそう言われてますね」
「目立たないって」
「お話にならないって」
「わしはいつもそやろ」
野村さんはこうも言いました。
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