暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
壊滅-かっこわるい-
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動かない。
今度こそ物言わぬ死体と化したようだ。
そうして俺はクリスの元へと向かったが…

「……。」

もうボロボロの居住施設。
そこに子供たちに囲まれ、息の荒いクリスが横たわっていた。

「クリスさん、死んじゃダメだ。あなたが死んだら誰がここの医者を務めるんですか!」

堂本がそう呼びかけるクリスの容態は、いいものでは無い。

まず第一に、右足がなかった。
ちぎれた足は一応包帯でキツめに締められ止血しようとしているものの、まだ滲み出ている。
そして彼の左手もまたあらぬ方向に曲がり、使い物にはならなくなっていた。
息もだいぶ浅い。これはもう時間の問題だ。

「私のミスです…ほんの僅かばかり隙を晒した瞬間、あの男がクリスに襲いかかり…。」
「友の手足を奪ったのか。」

そう言った瞬間、ガウェインが驚いた顔をする。

「…知っているのですね?」
「あぁ、あいつらが話していたよ。元々あの男はクリスと親しい仲だったと。イマイチ信憑性がなく嘘だと思っていたが…。」
「いいえ。」

俺の言葉に、ガウェインは首を横に振る

「彼らの言っていることは真実です。その様子だと、私が元々はクリスのサーヴァントではないことも、聞かされたみたいですね。」

彼らの言っていたことは真実だった。
しかし、なぜガウェインがあいつではなくクリスのサーヴァントになったか、多くの謎は残るが今はその謎を追求している場合では無い。

「堂本。」

クリスの容態を一通り確認し、俺はまず堂本に声をかける。

「柏原は?」
「ブーディカと一緒に薬を探しに行った。僕はここでみんなを守れって言われたけど…でも医療施設は重点的にやられてるし、もう薬は多分…。」
「…そうか。」

部屋を見渡す。
ここにいるのは重体のクリス、堂本、そして多くの子供達。

「サーヴァントはほとんどがやられた。ランスロットを連れたヤツが、セイバークラスは産廃だどうこうとか言って皆殺したんだ。」
「サーヴァント…そういえば…」

そこで俺はあることに気付く。

「堂本…あの子はどうした?田村将はどこだ?」

子供たちの中で唯一サーヴァントを所持している少年、田村将の姿がどこにもいない。
それに対して堂本は

「……」

何も話さない。

「…連れてかれた。」
「連れていかれただと?」
「うん。これは…僕のミスだ。」

項垂れる堂本。
あまり自分を責めるなと言ってやりたいが、今彼に言ったとしても逆効果だろう。

「ゾンビ兵とイカれた男に気を取られすぎてた。あのイカれた男の仲間に子供を人質に取られた。その時にサーヴァントと交換だって言われて…そうしたらあいつと鈴鹿御前は自分から…。」
「分かった。
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