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私の 辛かった気持ちもわかってよー
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ぼろ昆布もそうですから そのせいじゃぁないですか!」と、私は洗い物をしながら答えていた。

「なんか ツンツンしとるなー さっきから・・」と、お父さんは健也さんの顔を見ながら呟くと

「そうですね いつもと雰囲気が・・・ あのー 親方がバイトの子達とか桔梗お嬢さんには お疲れありがとう とかおっしゃるのに・・・山葵には・・だからじゃぁないでしょうか?」

「それはだなー ・・・山葵もワシの気持ちはわかっちょるわい」

「いくら 親子でも 言葉にするとじゃぁ 違いますよー」

「・・・いまさら・・ 健也の弟子なんだぞー あぁ この頃、健也が叱らなくて、尻をペシッってやらないから すねてるんじゃぁないのか?」

 内緒話みたいに小声で話しているんだけど、私には聞こえていて

「ちょっとー お父さん 酔っぱらい! ウチはお尻叩かれて喜ぶような娘じゃぁありません! なんてこと言うの! 自分の娘を前にしてぇー」と、私は彼等の前のお酒なんかをかたずけ始めると、私の機嫌が多分悪いのを気にして、健也さんも居づらくなったのか

「じゃーぁ 親方 この辺で失礼します お疲れ様でした 山葵もお疲れ」

「ええ 健也も お正月 楽しんでね ウチみたいな子供とじゃぁなくって」

 私は、わざと呼び捨てにして、皮肉ったつもりだったんだけど、聞こえたのかどうか、そのまま黙って帰って行った。

 そして、変に不器用なお父さんにあきれて、今年も悶々としながら、お片付けを終えてから、お店の表でトレーニングをして、冷めたお風呂に入りながら、その年も暮れていったのだ。
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