第七十四話
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あれから一週間。
アテナは律儀にも夕飯の時刻にユカリの家にふらっと現れ、共に夕食を囲む。
元がそう饒舌ではないアテナだが、ユカリは特に気にしないようだ。
ユカリにしてみれば久しぶりに出来た家族みたいな認識だろうか。
特に代わり映えの無い日常に見えるのだが、昨日辺りからだろうか。何者かに監視されているような気配を感じるのは。
それと最近、城楠高校に転校してきたイタリアからの留学生がとても美人で華やかだと学校中が浮き出したっている気がする。
廊下で何度かすれ違ったが、彼女が一般人であるとは到底思えない。
眉目秀麗であり、輝く太陽のような金髪に見事なプロポーションは人々の注目を集め、さらに本人が注目されている事に気付いていてもその堂々とした態度からみな強烈に惹きつけられてしまうようだ。
その事を今日の夕飯を共にするべくやって来たアテナに話したら…
「ほう、あの異国の魔術師がこの辺りに居を構えたか。おそらく神殺しであるあの男にはせ参じた騎士と言うところよな」
「神殺し?」
その後のアテナの説明で、この時ユカリは初めて神殺し、カンピオーネの存在を知ることになった。
◇
アテナを逃がした草薙護堂たちはアテナの動向を探っていた。
この日も草薙護堂は学校が終わった後、正史編纂委員会のエージェントである甘粕冬馬と会うべく、媛巫女である万里谷祐理の勤める七雄神社にエリカと祐理を連れて出向いていた。
境内に入るとすでに先方は来ていたらしく、軽く会釈をしてくる。
「それで、甘粕さん。アテナの行方は」
と、護堂が3人を代表して問いかけた。
「ええ、すでに足取りはつかめてます」
「本当ですか!?」
「こちらの女性のお宅に夜な夜なお邪魔しているようですな」
と差し出された写真には黒髪の長髪で見事なプロポーションの女性が写っている。
「か、彼女はっ!」
彼女が着ている制服は城楠高校のものなので、在校生で有る彼らならば知っていてもおかしくは無い。
「祐理、あなたこの娘を知っているのね?」
エリカが祐理に問う。
「はい。同じクラスの坂上紫さんです。…どうして彼女が…」
「坂上紫さん。城楠高校一年六組。祐理さんと同じクラスですね。家族は数年前に他界し、現在は両親が残された家で一人暮らしだそうです」
「彼女はこっちの関係者なのか?」
と、護堂は甘粕に問いかける。
この場合のこっちとは魔術師や媛巫女などの裏に関係するのかと言うことだ。
「いえいえ。何代かさかのぼって調べさせていただきましたが、どなたもそう言った職業には就いてなかったようですよ」
「それならばなんで…」
「はてさて。それは本人
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