第七十四話
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に直接聞いてみた方がよろしいかと。…ただ、彼女は只者では無い様ですねぇ…」
「どういう事?」
と、エリカが聞き返した。
「いえ、どうやら彼女、こちらが監視の為に差し向けたエージェントに気付いてる気配がするんですよねぇ。とは言え交友関係などを洗ってもそちら関係の方は浮上してこないのですがね」
「それよりも問題はアテナだろ。甘粕さん、アテナはその…坂上さんの家で何をしているんですか?」
と、護堂が問いかけた。
「それが…とても不思議な事なんですが、ただ夕飯をご一緒しているだけなんですよねぇ」
「「はぁ!?」」
「へ?」
「お三方が驚かれるのも無理はありませんな。実際確認した私も驚いた始末でして…」
「護堂、これは一度写真の彼女にコンタクトを取ってみるしかないわね」
と、いつの間にか参謀のように、場を纏め上げるのがうまいエリカがそう提案した。
「そうか?アテナの奴も何か問題を起こしているわけじゃないんだろう?だったら放っておいてもいいんじゃないか?」
その言葉にエリカは分からない子を諭すように言う。
「あのね護堂。まつろわぬ神の顕現はいつ爆発してもおかしくない栓を抜いた手榴弾のようなものなのよ。彼らは自分の欲望に忠実よ。ゴルゴネイオンを手に入れて三位一体となる事を果たした現在のアテナが次に何に執着するのかははっきりさせておかなければならないわ。でなければ対策の立てようもないもの」
「そうなのか?」
「そう言うものなのよ」
と、エリカに説得されて護堂は一応納得したようだ。
エリカの先導で護堂は祐理を伴い、甘粕に車で正史編纂委員会で調べたユカリの家へと送ってもらう。
「ここですな」
車を道路に路肩駐車し、皆車から降りると目の前には古めかしい一軒家。坂上紫の家である。
時間は既に夕刻。
何処の家からも晩御飯のおいしそうな匂いが漏れ出している。
「……いるな」
護堂の表情が険しいものに変わる。
護堂のカンピオーネとしての力が目の前の家にまつろわぬ神の存在を感知してスイッチが切り替わる。
「そう、アテナが居るのね。祐理、あなたはここで待っていなさい。荒事になるかもしれないから」
「エリカさん…」
「それでしたら私が祐理さんと待っていますので」
と、甘粕が申し出た。
「あら、あなたには一緒に来てもらおうかと思っていたのだけれど」
「いえいえ、まさか。私なんかでは神の前では震え上がって足手まといになるばかりですよ」
「そうかしら…」
と、エリカはいぶかしんでから「まあいいわ」ときびすを返し護堂をつれて敷地内へと入り、ベルを鳴らした。
◇
ピンポーン
インターホンが茶の間
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