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八条学園騒動記
第七百十話 多彩な生きもの達その九

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「美味いのなら口にする」
「それが連合ですね」
「だが逆にまずいとな」
「口にしないですね」
「二本足のものは人間以外は口にする国でもな」
 尚人間を口にするというのはカニバリズムであり連合においても相当な狂人でもないとしないことは大尉が今言った通りだ、ただし極限と言っていい飢餓状態であるならわからない。
「実はあまりだ」
「食べないですね」
「好かれていない」
 その実はというのだ。
「猿だのを食べることはな」
「そうなのですね」
「むしろ爬虫類や両生類をだ」
「食べるのですね」
「だからゴリラもな」
 今自分達が見ている生きものもというのだ。
「食べないらしい」
「そうですか」
「それにゴリラは連合では愛されている」
「そうした生きものなのですね」
「ゴリラは一見怖い」 
 その外見はというのだ。
「だが完全な菜食でな」
「生きものを襲うことはないですね」
「非常に温和な性格でな」
 外見は怖いがというのだ。
「抵抗すらだ」
「しないですね」
「逃げるか我が身を守ってガードするか」
 若しくはというのだ。
「胸を叩いて威嚇する」
「それ位ですね」
「流石にステラーカイギュウやオオウミガラスと違ってな」
 こうした地球では絶滅したと言われた生きもの達と違ってというのだ。
「逃げるし威嚇もな」
「しますね」
「しかし攻撃性はな」
 これはというのだ。
「一切だ」
「持っていないですね」
「そして非常に頭がいい」
 ゴリラはというのだ。
「だからな」
「連合では愛されていますか」
「ゴリラの様に優しくだ」
「賢くあれ」
「狼もそう言われている」
「優しく賢くですね」
「狼はエウロパでは恐れられているが」
 それでもというのだ。
「連合では家族や仲間思いでだ」
「そして頭がいい」
「また獲物も必要なだけしかな」
「獲らないですね」
「エウロパでは貪欲と言われるが」
 狼はというのだ。
「その実はな」
「必要な分しか獲らないですね」
「無闇に殺す習性はない」
 狼にはというのだ。
「餓えていないならだ」
「それでいいですか」
「そうした生きものだ」
「足るを知りますか」
「そうなのだ、そのことがな」
「連合ではよく知られていて」
「いい生きものとされている」
「農業を守ってくれますし」
「牧場の脅威になるならだ」
 狼がというのだ。
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