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八条学園騒動記
第七百十話 多彩な生きもの達その八

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「連合でもゴリラはな」
「食べないですね」
「見ていてどう思うか」
 そのゴリラ達をというのだ。
「一体」
「食べられるのかとさえです」
「思うな」
「どうも」
「ゴリラは美味いとはな」
 大尉は林檎やバナナを食べている彼等を見ながらさらに話した。
「聞いたことがない」
「そうですね」
「実はドードーは最初はまずかった」
 その為モーリシャス諸島ではすぐにその目的で獲らなくなった。
「しかし品種改良でな」
「美味くしたのですね」
「卵も多く生む様にしてな」 
 野生のドードーは一回の出産で一個しか生まなかった。
「そうした、だがゴリラはな」
「そうしなかったのですね」
「家畜化するには割が合わなかったしな」
「採算が取れなかったのですか」
「そうだった」
 この生きものはというのだ。
「そしてサル科の生きものの肉は味がな」
「よくないのですね」
「ゴリラは完全な菜食でな」
 この場合は草食と表現されることが多いがゴリラは草ではなく野菜や果物を食べるからこう言ったのだ。尚肉類は絶対に口にしない。
「肉は癖がないと思うが」
「その味はですか」
「やはりな」
「よくはないのですか」
「そうらしい、だからだ」
「連合でもですね」
「積極的には食べない様だ」
 こう上等兵に話した。
「どうもな」
「そうなのですね」
「連合で食べるものは確かに多彩だが」 
 それでもというのだ。
「やはり美味しいと思うものをだ」
「食べますね」
「日本ではよく河豚や鮟鱇を食べるが」
「鮫も食べますね」
「蛸や烏賊は好んでな」
 大尉は蛸や烏賊については顔を顰めさせて話した。
「食べるな」
「日本人は特に」
「どれも美味いからだ」
「外見はどうでも」
「毒があってもな」
 河豚に毒があることは大尉も知っている。
「その部分を取り除くことすらしてな」
「河豚ですね」
「あの魚だ」
 まさにという返事だった。
「それも猛毒だ」
「あたると死ぬ様な」
「そこまでしてだ」
「河豚を食べますが」
「それは何故かというとな」
「美味いからですね」
「我々も試しに食ってみたな」
 その河豚をとだ、大尉は話した。
「これがだ」
「美味しかったですね」
「そうだったな」
「刺身も唐揚げも」
「鍋もな」
「全て美味かったですね」
「非常にな、不格好だったり毒があったりしてもな」
 そうであってもというのだ。
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