第七百十話 多彩な生きもの達その七
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「連合だ、だが乾燥地帯もな」
「もうけますね」
「緑は基本だが」
それが豊かであることはというのだ。
「しかしな」
「そうした自然もですか」
「温帯に熱帯に」
「そうした気候が緑豊かですね」
「その二つの気候を軸にしてな」
そのうえでというのだ。
「冷帯や寒帯それに海や河川もだ」
「もうけて」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「乾燥帯もな」
「もうけるのですね」
「それでラクダもな」
「導入しますね」
「そうしている、だから連合ではラクダもな」
今目の前にある生きものもというのだ、見れば彼等はその場に立ってのどかに過ごしていたり草を食べている。
「野生でも暮らしていてな」
「家畜としてですね」
「暮らしている、しかしな」
大尉はラクダ達を見つつ上等兵に話した。
「どう思うか、君は」
「といいますと」
「ラクダを食べたいか」
「いえ」
徐東平は一言で答えた。
「見る限りあまり」
「美味いとは思えないな」
「はい」
そうだというのだった。
「どうも」
「その外見を見るとな」
「はい、到底」
それこそと言うのだった。
「美味しいとはです」
「思えないな」
「よくこんなものを食べると」
「思うな」
「流石に連合でも人間は食べないですね」
「そんなことは狂人のすることだ」
大尉は真顔で答えた。
「幾ら野蛮でもな」
「人間はですね」
「食べない」
「そうですね」
「そうだ、だからな」
それでというのだ。
「その話はな」
「偏見ですね」
「それは君もわかるな」
「はい、よく」
上等兵は確かな声で頷いて応えた。
「わかっています」
「二本足の生きものも食べるが」
今度は五リラを見る、見ればゴリラ達は自分達のところで穏やかに過ごしている。食べているのは林檎やバナナといったものだ。
「人間はな」
「食べないですね」
「だがラクダはな」
「四本足であり」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「食べている」
「そうですね」
「だが私もな」
「ラクダは美味しいとはですね」
「思わない」
上等兵に言い切った。
「やはりな」
「左様ですね」
「そしてだ」
それにというのだった。
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