第七百十話 多彩な生きもの達その五
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「エウロパの源流であるだ」
「あの国で、ですか」
「ラクダの踵はな」
これはというのだ。
「珍味として喜ばれていた」
「そうでしたか」
「他にも色々と食べていたがな」
ローマ帝国ではというのだ。
「ラクダもだった」
「そうだったのですね」
「そしてな」
大尉はさらに話した。
「連合では今もだ」
「食べていますか」
「丸焼きにもしてな」
「ラクダの丸焼きですか」
「サハラでも食べている」
この地域でもというのだ。
「かつては結婚式の時に食べていてな」
「今もですか」
「今は祝いごとがあるとな」
その時にというのだ。
「食べる、ラクダを文字通り丸焼きにするが」
「それだけではないですか」
「中に鶏も魚もだ」
「入っていますか」
「数羽、数尾ずつな」
「焼かれてですか」
「そうしていて卵もな」
これもというのだ。
「魚の中にな」
「入っていますか」
「そうしたな」
「ご馳走なのですね」
「それをサハラでは祝いごとで食べていてな」
そうしてというのだ。
「連合でもだ」
「食べていますか」
「そうしている、そしてサハラでは生きものの内臓は食べないが」
「イスラム教だからですね」
サハラではその殆ど全てといっていい者達がイスラム教徒即ちムスリムである。従って食事もイスラム教の教えに添っているのだ。
「それは」
「豚肉を食べないことと同じだ」
「内臓も食べないですね」
「かつては傷みやすくな」
生きものの内臓はというのだ。
「そして寄生虫もだ」
「多くいたので」
「それでだ」
「イスラム教では内臓は食べないですね」
「豚肉と同じ理由だ」
食べない理由はというのだ。
「傷みやすくな」
「寄生虫が多いので」
「食べなかった、犬の唾液を不浄としたのも」
コーランで定められていることである。
「これもな」
「狂犬病ですね」
「それを警戒してだ」
「その病気は今も」
「確実に死ななくなったがな」
かつては感染すれば死亡率はほぼ百パーセントとされていた。
「それでもかなりな」
「死亡率は高いですね」
「その感染症をな」
「警戒してでしたね」
「犬の唾液も不浄とされていた」
「そうでしたね」
「エウロパではムスリムは殆どいないが」
キリスト教、カトリックにプロテスタントに正教の大きく分けて三宗派にだ。ギリシアや北欧の神々が信仰されている。
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