第七百十話 多彩な生きもの達その四
[8]前話 [2]次話
「働けるだけ働く」
「連合はそうした国なので」
「それでだ」
「ホッキョクグマの肝臓は食べられなくても」
「利用することはな」
これはというのだ。
「抜かりなくと言うべきか」
「行っているのですね」
「そうしているのだ」
「そうですか」
「そうだ、あとホッキョクグマは食べられるが」
肝臓以外はというのだ。
「家畜化してもその中には寄生虫がまず確実にいるからな」
「火を通すか冷凍しないとですね」
「食べられない」
「そうなのですね」
「エウロパでは食べないので殆ど知られていないが」
それでもというのだ、連合では熊も食べるがエウロパでは狩猟で狩っても殆ど食べられることはないのだ。
「連合では知られていてな」
「生ではですか」
「食べない」
「そうなのですね」
「熊自体もそうでな、そしてだ」
それにというのだった。
「熊は特に掌がな」
「連合では食べられますね」
上等兵もこのことは知っていた。
「そうでしたね」
「そうなのだ、熊の掌はな」
これはというのだ。
「非常に珍味としてだ」
「好まれていますね」
「中国の料理でもな」
こちらでもというのだ。
「有名だ、昔からあの国ではな」
「熊の掌を食べていましたか」
「紀元前からな」
その頃からだというのだ。
「そうだった」
「随分古くから食べていますね」
「そうだった、孟子という思想家もだ」
性善説で知られる彼もというのだ。
「好物だとだ」
「言っていたのですか」
「その書の中でだ」
孟子の中にそう書いてある、魚も好物でどちらかと言われると熊の掌を方を選ぶと書いてそこから命と大義では大義を選ぶと言っているのだ。
「言っていた」
「そうでしたか」
「そして今もな」
「食べているのですね」
「そうしている」
実際にというのだ。
「連合ではな」
「熊まで食べるとは」
「そしてあの生きものもだ」
今度はラクダのコーナーに来てヒトコブラクダを指差して話した。
「食べる」
「ラクダもですね」
「連合にはイスラム教徒も多いが」
「彼等がですか」
「昔から食べていてな」
そしてというのだ。
「やはりな」
「隅から隅まで、ですか」
「食べていてな」
「利用していますね」
「そうしている、ただな」
大尉は上等兵に真面目な顔で話した。
「かつてはエウロパでもな」
「ラクダは食べていましたか」
「ローマ帝国でな」
この国でというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ