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八条学園騒動記
第七百十話 多彩な生きもの達その三

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「これがな」
「そうなのですね」
「そして何でも口にする国だけあってな」
「象もマンモスもですね」
「食べる、ただしだ」
 大尉はここでだった。
 今度はキリンを見て話した。
「キリンやカバ、シマウマはな」
「食べないのですか」
「馬は食べるが」
「馬刺しにステーキに」
「そうして食べるが」 
 それでもというのだ。
「しかしな」
「キリン等は食べないのですね」
「ガゼルやヌーは食べる」
 そうした生きものも見て話した、話しつつそのうえで場所を移動して二人で薩摩星系の方言のまま話した。
「しかしな」
「それでもですね」
「そうした生きものは食べない」
「何でも食べる国でも」
「奇食や狩猟の獲物で食べるが」
 それでもというのだ。
「一般的にはな」
「食べないですか」
「そうだ、何故かというとな」
「味がよくない」 
 上等兵は自分から答えた。
「だからですね」
「そうらしい」
「やはりそうですか」
「だが熊は食べてな」 
 今度は熊達を見つつ話した。
「そしてな」
「それで、ですか」
「あの熊も食べる」
「ホッキョクグマですね」
 上等兵は大尉が指差したその熊達を見つつ話した。
「あの熊もですか」
「肝臓以外は食べる」
「肝臓だけは食べないですか」
「何でもあの熊の肝臓はビタミンAが多過ぎてな」
 それでというのだ。
「だからな」
「食べないのですね」
「多過ぎると毒になる」
「ビタミンも」
「そうだ」
 それ故にというのだ。
「だからホッキョクグマの肝臓はな」
「連合でも食べないですか」
「どう調理も出来なくてな」
「煮ても焼いてもですか」
「そうだ、生では論外だが」
 それでもというのだ。
「煮ても焼いてもな」
「ビタミンが多過ぎて」
「それで食べると刺激が強過ぎてな」
 そうしてというのだ。
「毒になる」
「そうであるからこそ」
「連合でもな」
 それこそ何でも食べる国だがというのだ。
「食べないのだ」
「そうなのですね」
「しかしだ」
 大尉はこうも話した。
「利用することはな」
「するのですね」
「ビタミンが多いからな」
 それ故にというのだ。
「薬の原材料にはだ」
「用いますか」
「そうしている」
「利用することはするのですね」
「何でも利用出来るだけ利用してだ」
 そしてというのだ。
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