第二十九話 星の女神その四
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「迂闊に入れば」
「危ないな」
「どこからでも危険な獣が襲って来てな」
「虫や疫病が一杯で」
「環境もえげつなくてな」
「僕等でもやな」
「迂闊に入れば」
そうすればというのだ。
「かなりな」
「危うい世界やな」
「そや、この世界のアマゾンはそうした場所や」
「そのことを頭に入れることやな」
「くれぐれもな、ほなな」
「ああ、この階はそうしたことを念頭に置いて」
「踏破するで」
こう言ってだった。
シェリルは今度は鰐を倒した、アマゾンを模した階は極めて危険なダンジョンそのものに他ならなかった。
そしてその階も踏破しさらに先に進み。
神霊達のいる階に行くとインディオの服を着た若い女の神霊が言って来た。
「ではこの階ではね」
「マヤやアステカの神様達とですね」
綾乃が応えた。
「戦いますね」
「そうしてね、ただね」
「ただ?」
「私達はこっちの世界では生贄は求めないから」
女神は綾乃に笑って話した。
「戦でもね」
「信仰の中でもですね」
「起きた世界じゃ知らないけれど」
それでもというのだ。
「こっちの世界ではね」
「求めてへんですか」
「生贄よりも食べものやお酒を捧げてもらえれば」
それならというのだ。
「そっちの方がね」
「ええですか」
「だからね」
それでというのだ。
「生贄はね」
「ええですか」
「星の子達は私達が生贄を求めないことに最初驚いていたけれど」
「中南米の神様っていいますと」
他ならぬ中南米出身のアレンカールが言って来た。
「ほんまです」
「生贄って言うわね」
「もう何かあると」
それこそというのだ。
「生贄をです」
「求めるって言ってたわね」
「お祭りがあれば」
即ち神事がだ。
「捕虜や奴隷からです」
「あらかじめ生贄を決めていてね」
「それを殺して」
そうしてというのだ。
「神様に捧げる」
「そうしたものってイメージあるわね」
「起きた世界では実際にそうで」
アレンカールはそれでと話した。
「神殿の階段なんか血に染まってました」
「それだけ多くの人を捧げたってことね」
「はい、そう言う貴女も」
アレンカールは女神にも言った。
「そうですね」
「そうよ、このコヨルショウキもね」
女神は自分もと言われて名乗って話した。
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