第二十九話 星の女神その三
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「やっぱりな」
「最初からやね」
「毒は身体に入らん方がええ」
最初からというのだ。
「そやからな」
「浮かんでやね」
「やり過ごすんや」
「そやね、こうした場所は足場も悪いし」
見れば地面はぬかるみ枝や葉が落ちて腐葉土化も進んでいるものがあり根が出ていたりする。そして小動物達も這い回っている。
そのどう見てもかなり悪い足場を見てだ、綾乃は言った。
「浮かんでた方がええね」
「いざって時躓いたりしたらな」
「戦の時とか」
「それだけで危ないやろ」
「その通りやね」
「そやからな」
それ故にというのだ。
「最初からな」
「浮かんでることやね」
「そうして進んでくんや」
「それがええね」
「ああ、ほなな」
「このままやね」
「この階も踏破しような」
芥川は確かな声で言った、そして出て来たジャガーや鰐や大蛇を倒していった。
水辺にはピラニアもいる、中里は彼等が水面から飛び出て襲い掛かって来るのを雷を放って倒してから言った。
「ピラニアも怖いな」
「用心するんや、こっちの世界のピラニアは凶悪や」
シェリルはその中里に話した。
「起きた世界のそれよりもな」
「アマゾンの方ではやな」
「修羅の世界におるんや」
アマゾンというそれにというのだ。
「そやからな」
「今みたいに水面から飛び出たりしてな」
「襲い掛かって来るわ」
「それも団体でやな」
「若し反応が遅れたら」
シェリルはその時のことも話した。
「もうな」
「僕等でも怪我するな」
「ああ、そしてや」
今度はシェリルが動いた、氷の刃を自分の周りに無数に出し。
水面から飛び出た鮫の群れを薙ぎ倒してからまた言った。
「こっちの世界のアマゾンには鮫もおる」
「起きた世界では鮫はおらんけどな」
「エイはおってもな」
淡水生のエイである。
「しかしな」
「鮫はおらんな」
「そや、しかしな」
「こっちの世界にはおって」
「そしてや」
「襲い掛かって来るな」
「鮫までおるんや」
こちらの世界のアマゾンにはというのだ。
「ひいてはな」
「そのアマゾンを再現したこの階にもやな」
「出て来るってことや」
「そういうことやな」
「若しもな」
「油断したらな」
「怪我するで」
こう言うのだった。
「ほんまな」
「そやな」
芥川もそれはと応えた。
「僕等でもな」
「それこそ特撮ヒーローでもないとな」
「普通に暮らしていけん世界や」
「生身の人が一人やとな」
「サバイバルの中のサバイバルの世界やからな」
「星のモンでもな」
シェリルは自分達のことも話した。
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