第二十九話 星の女神その一
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第二十九話 星の女神
密林地帯、アマゾンを思わせるその中を進みつつだった。
中里は湿気の多い足下を見つつこんなことを言った。
「ジャングルでもこうしたな」
「アマゾンみたいなのはっていうのね」
「ああ、特に厄介に思うわ」
「こっちの世界のアマゾンは起きた世界より凄いしね」
「とんでもない環境とな」
「他の地域よりもずっと強い獣やモンスターが群棲していてね」
「滅茶苦茶厄介な場所や」
こう話すのだった。
「ほんまな」
「過酷な場所よね」
「サハラ砂漠と並んでな」
「この世界では危険な地域よ」
「人が迂闊に入れば」
そうすればというのだ。
「ほんまにな」
「あっという間に死ぬわよ」
「獣に喰われてな」
「あと疫病もね」
この世界のアマゾンではというのだ。
「起きた世界のそれよりもね」
「酷いからな」
「そやからね」
だからだというのだ。
「迂闊にはよ」
「入られへんな、それでな」
「この階はね」
「そのアマゾンみたいね」
「ああ、嫌な階やな」
「あたいもそう思うわ」
アレンカールも同意して頷いた。
「ここはね」
「木々が複雑に入り組んでな」
「それが迷宮になっていてね」
「小川とか小池もあちこちにあって」
アマゾンのそれがだ。
「随分な」
「厄介な階よ」
「ほんまそやな」
「ここはね」
「虫も多いな」
メルヴィルは周りを飛ぶ彼等を見て嫌そうな顔で言った。
「ここは」
「蚊や蠅も多いな」
トウェインも言った。
「獣やモンスターやなくてもな」
「それでこの連中に刺されたりするとな」
「疫病とかにもなるしな」
「マラリアとかな」
「特に蠅がな」
トウェインはその彼等を見てメルヴィル以上に嫌悪感を見せて話した、それはまるで疫病神を見る様な顔だった。
「厄介やな」
「この蠅卵産みつけるさかいな」
「生きものの身体にな」
「そうしてきてな」
「幼虫が身体の中に入るからな」
「とんでもなく厄介や」
「ああ、蚊も嫌やが」
それ以上にというのだ。
「この連中はな」
「警戒せんとあかんな」
「ほんまな」
「中南米にいる蠅よ」
アレンカールはその中南米の者として話した。
「もうこっちじゃね」
「めっちゃ警戒されてるな」
「蚊以上に」
「ええ、だからね」
「この連中には要注意やな」
「ここでも」
「そうしてね、卵なんて産み付けられたら」
二人に自分も嫌そうな顔で話した。
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