第百九話 生と死その九
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「そりゃね」
「見捨てられますね」
「ホームレスになるまでもそうで」
「そもそもなったのも」
「そうした性格のせいでね」
「働かないならお金ないですからね」
咲はこの常識を指摘した。
「そもそも」
「そうよね」
「それで他にも」
「酷かったし忠告されてもね」
「聞かなかったんですよね」
「思いやりや謙虚さを持つ様に言われても」
「全く聞かなくて」
咲はまた言った。
「それでいつもふんぞり返っていて」
「自己中でね」
「そんな風だからですね」
「やり直せなかったのよ」
「そういうことですね」
「確かに命あってで」
それでというのだ。
「命があるとね」
「何度でもやり直せますね」
「立ち直れるわ、けれどね」
「それにはそれなりのものが必要ですね」
「ええ、今お話してる人親戚のお葬式の後のお食事会で家族でもないのに平然と上座に上がったそうだしね」
こうした場では亡くなった人の家族だけが上座に上がるがだ。
「もうどうしようもないね」
「そんな人だったんですね」
「だからやり直せなかったのよ」
「今行方不明ですね」
「全く駄目な。屑というしかない人はね」
「やり直せないんですね」
「そうよ、人間はね」
副部長は真面目な顔でさらに話した。
「命あってが何よりで」
「そこで人間性もですね」
「必要よ」
「そういうことですね」
「全く反省しない努力しない人はね」
「生きていてもですね」
「そういうことよ、まして何かになることも」
「ないですね」
「なるとすれば一つよ」
まさにというのだ。
「屑よ」
「それになるしかないですね」
「神戸の本校で言われていてこっちでも伝わってる」
「その信者さんはですね」
「あそこの教会が出来て以来の酷い人だったみたいだけれど」
「屑としか言い様がないってことですね」
「何でもどうでもいい高校出て」
そしてというのだ。
「それから働かなくて」
「奥さんと結婚しても」
「やっぱり働かなくてね」
「その癖偉そうなことばかり言って」
「尊大でね、人には図々しくて」
「それで人の為には何もしなかったんですね」
「人のお家に上がり込んで大飯食べてね」
そしてというのだ。
「コーヒー淹れてくれるか、で」
「自分で淹れないで」
「しかも体調悪い人にも言って」
「つくづくどうしようもないですね」
「資格も立場もなくて」
「奥さんにも逃げられたんでしたね」
「しかも二十年近く食べさせてくれた奥さんに感謝しないで」
それでというのだ。
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