第百九話 生と死その八
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「まだね」
「優勝出来たりしますね」
「そうしたものだから」
「粘ることですね」
「それは即ち死ぬまではね」
「何度でもやり直せますね」
「そうよ、まあどんな哲学や宗教でも救えない人はいるけれどね」
副部長は考える顔でこうも言った。
「屑はね」
「死んだら終わりと救えない人はまた違いますね」
「そう、生きていてもやり直せない」
「屑だとそうなるんですね」
「悪いことばかり言って悪いことばかりして」
「それで行いをあらためなくて」
「何を言っても無駄でね」
そうした有様でというのだ。
「どうしようもない人はね」
「どんな哲学や宗教でもですね」
「救えないわよ」
「それで破滅するんですね」
「そうよ、世の中そんな人もいるからね」
「そんな人は死ぬまでどうにもならないですね」
「そのうち皆見捨ててね」
どんな哲学や宗教でも救えない、そうであるならそうしたものを持っている人間にも救えないということだ。哲学や宗教即ち信念を持っていない人間もいないであろう。ただしどうしようもない輩は己しかないものだ。
「惨めに死んで終わりよ」
「やり直すにも何かが必要ですね」
「反省したり努力したり」
「そうしたものがないとですね」
「やり直せないよ」
「そういうことですね」
「ええ、自分しかなくて」
そしてというのだ。
「努力も人間性も技能もないなら」
「やり直せなくて」
「破滅するわよ」
「そうなるんですね」
「世の中そんなのもいるしね」
「死んでいなくてもですね」
「死ねばいいって周りの沢山の人から本気で言われるなら」
そこまで劣悪ならというのだ。
「もうやり直せないかもね」
「そうですか」
「だからね」
それでというのだ。
「死ぬまで諦めなくても」
「死ねばいいって言われる人はいるんですね」
「ええ、そんな風だとやり直すことすらね」
そもそもというのだ。
「ないものよ」
「やり直すにも何かが必要なんですね」
「死なない限り何度でもやり直せてもね」
そうであってもというのだ。
「やり直すにも」
「それなりのものが必要ですか」
「生きていてもね」
「反省したり努力して」
「さもないとやり直せないし」
副部長はさらに話した。
「何にもよ」
「なれないですか」
「本校の方で有名な理事長さん達が信者さんの天理教の教会の」
「信者さんだった人ね」
「一回借金で暮らせなくなってね」
「ホームレスになってでしたね」
「そこから助けてもらって」
そうしてというのだ。
「借金もチャラになったけれど」
「生き返ったって言っていいですね」
「社会的に死んだどころか」
「そうなったけれど」
「全く反省しなかったんですよね」
「それまでも働かなく
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