プロローグ
[2]次話
ザ――――――――!
その日はバケツをひっくり返したような、土砂降りの雨だった
遠くでは雷が土砂降りの雨の音と一緒に聞こえていた
今から七年位前、俺が小学五年生で梅雨の真っ最中だった
ニャァ・・・
「・・・?・・・今のは?」
その日の俺は傘を忘れてしまい、ランドセルを頭の上に乗せて傘の代わりにしていた。効果は無かったが・・・
・・・ニャァ、ニャァ
この時の俺は橋の上を走っていた
「・・・橋の下からか!」
微かに聞こえた鳴き声は土手と橋が道として繋がっている所の下から聞こえた
俺はすぐさま土手を駆け下りて鳴き声が聞こえる所まで走った
そこで見たのは、衰弱しきっている白と黒の猫だった
このままではマズいと、泥で服が汚れるのを構わず、二匹の猫を抱きかかえて家まで猛ダッシュした
これが黒歌と白音との出逢いだった
そして今
「黒歌!白音!学校に遅刻するぞ!」
「・・・今行く」
「待ってにゃ〜ォ」
俺は玄関で二人が来るのを待っていた
「黒歌、あれだけ夜更かしするなって言ってるだろ」
「ごめんなさいャ」
先に来たのは黒髪ロングで制服の上でもわかるスタイルの良さの塔城黒歌
「・・・黒歌姉さん、忘れ物」
「ありがとう白音」
黒歌に忘れ物の弁当を渡したのは、白のショートカットで、見た目中学生の身長の塔城白音
二人は姉妹、しかも猫叉という妖怪だ
「よしっ、揃ったな。それじゃあ行ってくるぜ!デミデミ、モリリン」
「行ってきま〜す」
「・・・行ってきます」
『いってらっしゃい』
『デミデミと言うなっ!』
返ってきた二つ目の返事に苦笑した
俺は玄関のドアを開け、二人を伴って走り出した
「それじゃ行くぜ!」
「「おー!」」
『行ったわデミデミ』
『デミデミ言うな・・・あいつ等、帰りに寄り道しないでほしいな』
『あら?心配なの?』
『・・・勘違いするな。俺はただ、早く帰って店の手伝いをしてほしいだけだ』
『ふふっ。そういうことにしておくわね』
『・・・フンッ・・・そんな事より早く仕込みを手伝え。手が足りん』
『わかったわ、デミデミ』
『だからデミデミ言うなっ!』
『フフフフフフフフッ!』
『・・・・クッ。これだからお前は・・・・・・』
[2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ