第十幕その十二
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「それに限るわ」
「街の雰囲気からもな」
「そうじゃな、ところでじゃ」
ここでリンキティンク王は漫才師に尋ねました。
「お主前も見たが名前は何というのじゃ」
「横山やすしや」
漫才師さんは笑顔で答えました。
「相方をずっと待ってるわ」
「そうなのか」
「この街でな」
「そうしておるか」
「わしは生憎ピンやとあかん」
「ピン?」
「一人ってことや」
ピンと言われて首を傾げさせたリンキティンク王に答えました。
「そういう意味の言葉や」
「そうであるか」
「わしも相方もピンやとな」
「駄目なのか」
「二人やないとな」
さもないと、というのです。
「ほんまにな」
「それがお主達の漫才か」
「そや、それでや」
「今はか」
「待ってるんや」
「そうしておるじゃ」
「そや、外の世界ではわしは短気やったが」
それがというのです。
「今は気長にや」
「待ってるか」
「わしはずっとそやった、けどな」
「それがか」
「オズの国やとな」
随分と、というのです。
「ほんまにな」
「気長にか」
「何でもやっててな」
それでというのです。
「相方待ってるわ」
「そうか、ではな」
「まあこうしてや」
「美味いものも食ってか」
「待つわ」
「そうか、ではな」
是非にとです、リンキティンク王は横山さんに応えて言いました。
「暫くな」
「待ってるわ」
「そうするのじゃ」
「待つのもええわ」
藤田さんは笑って言いました。
「オズの国ではな」
「その間も色々と楽しめるからのう」
「それでや」
その為にというのです。
「せっかちにならんでな」
「じっくりとじゃな」
「待つんや、何でもな」
「焦っても仕方ないしのう」
「そういうことや、ほな今からな」
「わし等もな」
藤田さんに笑顔で応えました。
「ところてんを食うぞ」
「そうしよな」
笑顔でやり取りをしてでした。
一行は今度はところてんを食べました、黒蜜のそれはとても美味しかったですが待っているその間も藤田さん達とのお喋りが面白くて楽しいものでした。
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