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第二十八話 交錯その三

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「何でも言ってくれたらいいよ」
「それではな、だが」
「だが。何かな」
「昴流さん、あんたもだ」
 神威は昴流の言葉を聞いて真剣な顔と声で言った。
「同じ天の龍、仲間ならな」
「僕のこともだね」
「何でも言ってくれるか」
「うん、じゃあ帰ったらね」
「その時にか」
「ここに来てくれたら」
 洋館にというのだ。
「話していいかな」
「そうしてくれるか」
「それではな」
「待っているよ、ではね」
「ああ、行って来る」
 学校にとだ、こう言ってだった。
 神威は小鳥と共に登校した、するとクラスメイト達から言われた。
「司狼どうしたんだ」
「ここ数日来てなかっただろ」
「何処か悪かったの?」
「風邪か?」
「ああ、少し体調を崩していたんだ」
 神威はクラスメイト達にこう言い繕った。
「だからな」
「ああ、それでか」
「暫く来てなかったんだな」
「そうなんだな」
「もう大丈夫だ」
 微笑んでこの言葉を出した。
「心配かけて済まない」
「あっ、いやクラスメイトだからな」
「心配するのも当然だからな」
「気にしないでくれよ」
「大丈夫だったらいいのよ」
「これからもお大事にね」
「ああ、気を付ける」
 ここでも微笑んで言った、その神威の言葉を聞いてだ。
 クラスメイト達は彼から離れた後でだ、彼等の中で話した。
「司狼変わったな」
「ああ、近寄り難い雰囲気なくなったな」
「柔らかくなった?」
「そんな感じ?」
「笑ったしね」
「何かあったのか」 
 こう話されるのだった。
「ひょっとして」
「そうかもな」
「それでか」
「それで柔らかくなったのかしら」
「けれど今の方がいいよな」
「ずっとね」
 こう話して今の神威に親しみやすさを感じた、それで彼と話してみると実際に感じは悪くなくてだった。
「いいな」
「今の司狼はな」
「仲よく話せるな」
「お友達になれるわね」
「そうだよな」
 こんな話をしていた、その話は学校に戻ってもいつも通りの小鳥にも届いていて一緒に弁当を食べる時にだった。
 その話をするとだ、小鳥は笑って言った。
「うん、今の神威ちゃんはね」
「柔らかいか」
「前の神威ちゃんよ」
「子供の頃のか」
「完全にね」
 まさにというのだ。
「あの頃の神威ちゃんにね」
「俺は戻ったか」
「そうなったわ」
 こう言うのだった。
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