合同温泉旅行開始
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
音君が無愛想な訳ではなく、人付き合いが苦手なだけだと感じたよ」
「悠人さん。それはあまり変わらないのではないか?」
伯父さんは疑わしそうに父さんを見た。
「そうかな? 僕は全然違うと思うけど。だって人付き合いが苦手だということは、ちゃんと相手のことを考えてはいるけどそれが表面に出にくい、というだけだと思うんだ」
「……なるほど」
「玲音君は本当は優しいからね。だから無愛想なんかじゃないと思うよ」
「そうだよ。玲音は無愛想なんかじゃないよ。ただちょっと不器用なだけだよ」
「それは……喜んでいいのかわからないのだが」
僕も同意すると、玲音は複雑な表情を浮かべた。
「まあ、喜んでもいいんじゃないか? 少なくとも翔夜君は玲音のことを尊敬しているのだし」
「伯父さん。尊敬してるだけじゃあなくて、絶対に追い付きたい目標でもあるんですよ」
「そうだね。翔夜は家で何度か、玲音君にいつか勝つって言ってたよ」
父さんの言うように、僕は家でも宣言しています。
「そうか。よかったな、玲音。ここまで慕ってくれる人は中々いないぞ」
「ああ。……翔夜、本当に俺に勝つつもりなんだよな?」
「もちろん」
玲音の真剣な問いかけに、僕は目を見つめて答えた。
数秒目線を交わらせていると、突然玲音が優しい表情になった。
「なら俺は、絶対に負けないくらい強くならなくてはな」
「うん。もっと強くなってね。それくらいじゃあないと、越えた時の喜びも大きくならないからさ」
「言うじゃないか。まあそう簡単に越えさせる訳がないし、それ以前に越えさせるつもりだって全くないがな」
「そうこなくっちゃ」
僕と玲音は互いに微笑んで、拳同士を当てた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ