第八十四部第三章 円明園の会議その四十九
[8]前話 [2]次話
「中央政府の要人とも会えるわね」
「対立を隠して」
「それはないことにして」
「親善、交流としてですね」
「お会い出来ますね」
「食事を共にしながら」
これも連合の常だ、共に食べつつ食事の話をするのだ。
「そうしながらね」
「左様ですね」
「それではですね」
「時間があれば」
「その時は、ですね」
「お会いしてね」
カバリエ、彼女と、というのだ。
「話すわ、ただここで注意すべきは」
「中央政府の要人と会ってですね」
「そして、ですね」
「中央政府に寝返ったと思われる」
「各国政府にそう思われることはですね」
「避けるわ、何なら各国政府の首脳達と共に会って」
そしてというのだ。
「お話すべきかも知れないわね」
「その方がいいかも知れないですね」
「そうすれば疑われません」
「それならですね」
「機会を見て」
「その場をもうけたいわね、ただよく金内相が鋼鉄の如きと言われるけれど」
その意志の強さからだ、金のその実直さと能力そして意志の強さから彼女はそう言われるのである。
「カバリエ外相もよ」
「その意志は強い」
「そうなのですね」
「あの人もまた」
「強い意志をお持ちですか」
「そう、だからこそ強いから」
だからだというのだ。
「私も気を引き締めていくわ、ただね」
「ただ?」
「ただといいますと」
「一体」
「今回は国防も関係しているわね」
このこともというのだ。
「そうね」
「と、なるとですね」
「中央政府国防省も関わってきますね」
「そしてそうなると」
「八条長官ともですか」
「対することになるかも知れないわ。だとすると」
ここでだ、伊東は笑った。そして言うのだった。
「面白いことになりそうね」
「まさかと思いますが」
「八条長官とですか」
「対されますか」
「そしてその時は」
「彼がどれだけ成長したか見えてもらうわ。彼は金内相と同じ位暴力とは無縁だけれど」
それでもというのだ。
「その正統派の政治がどれだけ成長したか」
「そのことをですね」
「ご覧になられたい」
「そうなのですね」
「そうよ、中央政府国防長官として辣腕を振るっているけれど」
それでもというのだ。
「そこからどれだけ成長したのかもね」
「ご覧になられたいですか」
「八条長官と対されて」
「そのうえで」
「ええ、師弟対決というけれど」
八条を自分の弟子と見ての言葉であるが実際にこの二人が師弟関係にあることはつとに有名である。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ