暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第163話:虎穴に入らずんば虎子を得ず
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。そう言えばフロンティア事変にて、本来装者ではなかった筈の未来が神獣鏡のシンフォギアを纏っていた。調曰く、あの時未来がシンフォギアを纏えたのは突貫作業での洗脳なども関係していたそうだが、そこには確実にウェル博士のLiNKERの存在もあった筈。

 もしそこに、彼の言う愛が関わっていたならば…………

「櫻井主任……確かここ最近、奏さんの適合係数が明らかな上昇傾向にあると言っていましたね?」
「えぇ、言ったけど……あ! もしかして、そう言う……?」
「確証はありませんが、無関係ではないかと」
「だとすると、彼の言う愛を科学的に解析できれば……」

 2人の議論を一歩離れた所から聞いていたエルフナイン。頭脳明晰な2人の会話を何とか自身の中で噛み砕こうとしていると、偶然通りがかったシミュレーションルームから何やら言い争う様な声が聞こえてきた。
 了子達もその声に気付いたのか議論を止め顔を見合わせると、何事かとシミュレーションルームへと入っていった。

 するとそこでは、汗を浮かべている切歌と調を響や奏達が叱っているのが見て取れた。

「駄目だよこんな無茶ッ! 一歩間違えたら死んじゃうかもしれないんだよッ!」
「経緯もよく分からないままに、充分な適合係数をモノにした響さんには分からないッ!」
「調それは言い過ぎだッ! 気持ちは分かるが、それと響に当たる事は別問題だろッ!」
「それでも……何時までもミソッカス扱いは、死ななくたって、死ぬほど辛くて、死にそうデスッ!」

 どうやら切歌と調の2人は、LiNKERを使わずにギアを纏って訓練していたらしい。それを見咎めた奏や響と口論に発展しているらしかった。
 状況的に焦る気持ちも分からなくはないが、技術主任として彼女らを見過ごす事は出来ない。了子が静かにそちらへ近づいていくと、それに気付いていないマリアが響達を宥めて2人の訓練のGOサインを出した。

「やらせてあげて」
「マリアさんッ!?」
「2人がやり過ぎないように、私も一緒に訓練に付き合うから」

「そう言う訳にはいかないのよね」

 マリアが2人の保護者として訓練に同伴しようと申し出たが、それは後から部屋に入った了子により却下された。マリア達は、了子やアルドが部屋に入ってきているとは気付いておらず声を掛けられ背後を振り返り驚いた様子を見せる。

「了子ッ!? それにアルドにエルフナインッ!?」
「何時の間にッ!?」
「たった今よ。それより、子供や病み上がりに無茶をさせる訳にはいかないわね」

 珍しく了子が鋭い視線でマリア達を眺めると、切歌と調は申し訳なさそうに視線を逸らした。マリアも視線こそ逸らさなかったが、不満や不安は喉元まで出掛かっているのか口が何やらもごもごと動いている。その様子に了子は大き
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