第八十四部第三章 円明園の会議その四十八
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「政治も然りよ、スポーツでもその時は敗れるけれど」
「政治もですね」
「その時はリスクがあり」
「危うくなりますね」
「そうなるから」
だからこそというのだ。
「暴力は溺れてはいけないわ」
「みだりに使うものではない」
「そうしたものですね、謀略は」
「首相が思われるには」
「そう、策士策に溺れるというわね」
伊東はこうも言った。
「そうね」
「はい、昔から言われますね」
「その様に」
「策を使いながらも策をみだりに使い」
「そこで失敗しますね」
「そうよ、策略はうぬぼれるものではないわ」
使っていてというのだ。
「使っていてね」
「幾ら策略が上手にいこうとも」
「それでもですね」
「使うにあたって必要なものがありますね」
「そうなのですね」
「みだりに使うものでもないし軽率に使うものでもないわ」
そうしたものでもないというのだ。
「ここぞという時に使いそして使うならね」
「確実に成功させる」
「その心構えで使うものですか」
「それが策略というものですか」
「その通りよ、そしてカバリエ外相にはね」
その彼女にはというのだ。
「波の策略では通じないわ」
「だからこそ手強い」
「首相にとっては」
「そう言われるのですね」
「そうよ、策を見破られる訳にはいかないから」
使うのならというのだ。
「慎重に使うわ、あとカバリエ外相ともお話が出来たら」
「されますか」
「その様にされますか」
「会談をされますか」
「その場を設けられますか」
「ええ、会談をしてね」
そしてというのだ。
「今の彼女の心の内を知りたいわ」
「そのお心をですか」
「どうお考えか」
「そのことをですか」
「ええ、衝突が避けられないなら」
それならというのだ。
「もうお話をしてね」
「相手のお心を知り」
「そのうえで対する」
「そうされますか」
「確かに中央政府は敵よ」
今はとだ、伊東は話した。これから各国政府が力を合わせてそのうえで向かうべき相手だというのだ。
「けれど干戈は交えていないわね」
「中央政府にはそうですね」
「全くです」
「そうしたことはありません」
「一切です」
「交流は続いています」
「これもまた連合よ」
伊東はスタッフ達に微笑んで話した。
「例え対立していてもね」
「政治的にそうであっても」
「それでもですね」
「交流は続く」
「そうしたものですね」
「そうよ、そしてね」
伊東は自身の話を続けた。
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