蛇足三部作
『彼らの道は再び交差する』
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訊ねかける眼差しに軽く溜め息を吐く事で応じれば、意外そうに目が見開かれた。
「じゃ、じゃあ! サスケの奴が大蛇丸の弟子の振りをしていて、実は初のねーちゃんの弟子で協力者だったっていうのも――本当なのか!?」
「ああうん。互いに互いの利益が一致していたし、私としてもうちはの末裔をあのまま堕とすつもりもなかったし。あの不器用なお兄さん相手にやり合える様になるまで、それこそ徹底的に鍛えたよ」
あっさりと宣言してみせ、地面へと突き刺さっていた適当な刀を抜いて一閃する。
鈍い銀光が奔ったかと思うと、背後から忍び寄っていた口寄せ動物の蛇が真二つになっていた。
そうしてから、ややじとりとした視線を己の方へ――正確には己の隣に佇む術者へと向ける。
「やれやれ……、可愛い教え子の一人とゆっくり話す機会もくれないとは。余裕の無い男は見苦しいぞ?」
「すみませんね。死者の括りから解放された初代火影が目の前にいるかと思うと、どうしても……」
地に片手を付けて口寄せ印を組んでいた術者の男が、興奮を隠せない口調で応じる。
その反応を予想していたのか、奴は苦笑しただけに留まった。
「その姿は二代目土影……無殿のものだな。全く、未完成の術に過ぎなかった穢土転生を此処まで完成させた術にするなんて……つくづく敵であることが惜しいな」
「お誉め頂き光栄ですよ、初代火影様」
大袈裟な仕草で礼をしてみせた旧知の皮を被った術者に対して、物惜しげな光を奴が浮かべている。
大方、弟子にでも取りたいと考えたのだろう。貪欲に人材を求める癖は未だに健在だった。
「しかし、驚きました。てっきり貴方はもう一人の“うちはマダラ”――あの仮面の男の方へ向かうと読んでいましたが」
「まあ、つーちゃん……五代目火影や雷影殿はそうして欲しかったみたいだけどね」
軽く肩を竦めると、手にした刀の感触を確かめる様に手の中で弄んでいる。
ちらり、と緑色の輝きを帯びた黒の双眸が静かに様子を伺っている土影へと目配せを送った。
「あの仮面の男がわざわざ『うちはマダラ』の名を名乗るんだ。それなりの意味があっての事だと思っていたし、何らかの協力関係にあるのだろうとは思っていた。――そうしたら、その通りじゃないか」
目配せを受けた土影が、周囲の忍者達にその場から下がる様に無言で指示を出す。
それに気付いているのかいないのか、術者の男は尚も不審そうに言葉を重ねた。
「――つまり、最初からあの仮面の男が偽物だと気付いていたのですか?」
「そりゃそうさ。オレがそいつを間違えるわけがないじゃないか……――お前だってそうだろ?」
「当然だ」
不思議そうな表情で決まりきった事を尋ねられ、意図せずして呆れた響きの声が漏れてしまう。
他の誰
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