第七百九話 大きな家畜達その七
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「食べられ用いられ」
「無駄なく使われていますね」
「そういうことだ」
こう上等兵に話した。
「だから連合は国力がある」
「そうも言っていいのですね」
「一人当たりの総生産はエウロパの十五倍だな」
「はい」
上等兵はその数字に眉を顰めさせつつ答えた、エウロパから見てその差は実に嫌になるものである。
「そして人口は四十倍です」
「単純計算で六百倍だ」
「巨大過ぎますね」
「その総生産の違いはな」
それはというと。
「何にあるかというとだ」
「資源の豊富さもありますね」
「普通のエネルギー資源もあるが」
それと共にというのだ。
「しかしな」
「生物、大きく言ってバイオ資源ですね」
「それの利用もだ」
「かなりのものなので」
「だからだ」
その為にとうのだ。
「それだけの生産を出しているのだ」
「エウロパの十五倍ですね」
「あらゆる家畜を無駄なくな」
「用いているので」
「骨までな、骨もな」
これもというのだ。
「捨てるだけかというとな」
「ダシを取り」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「肥料や飼料にも使うからな」
「まさに無駄なくですね」
「エウロパでは内臓を食べない場合すらある」
家畜達のその部分をというのだ。
「流石にソーセージは何処でも食べるがな」
「あの食べものも内臓を使っていますね」
「腸をな」
「腸の中に挽肉等を入れ」
「そして燻製にしたものだな」
「それがソーセージですね」
「そうだ」
それだというのだ。
「これはな」
「もうエウロパでは普通ですね」
「食べない国もないしな」
「食べたことがない人間もいませんね」
「連合でもよく食べているしな」
この国でもというのだ。
「それでだ」
「エウロパもですね」
「内臓を使うことはな」
「使いますね」
「しかし連合の様に隅から隅までだ」
そこまではというのだ。
「食べていないな」
「そうですね、レバーはよく食べますが」
「それと心臓だな」
「ですが隅から隅までは」
「食べない、食べずにな」
そのうえでというのだ。
「捨てるな」
「はい、実は我が国は」
上等兵は自国の話をした。
「内臓については」
「君の国の料理はな」
「何しろイギリス系なので」
そう区分される国家だからだというのだ。
「ですから」
「それでだな」
「食べる食材もあまりなく」
「内臓もだな」
「あまりです」
これといってというのだ。
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