第二十八話 古代の神々その十三
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自分が持っている万年筆からだった、インクを出した。そのインクは墨という言葉の通りの黒いものだったが。
芥川の魔霧の術で出た霧にだった、墨は入り戦場一帯を漆黒のものとした。するとその黒いインクがだった。
メジェドの身体に付いた、そして姿が見えなくなっていた神霊の姿を真っ黒に映し出した。芥川はそのメジェドを見据え仲間達に言った。
「見えるな」
「ああ、確かにな」
「見えるわよ」
中里とアレンカールが真剣な顔で応えた。
「これ以上はないまでにね」
「はっきりとな」
「そやな、ほなな」
「相手が対処してきて」
「また姿を消すまでが勝負ね」
「そや、一気にやるで」
「一気にやるんやったら方法があるし」
綾乃はこの言葉と共にだった。
八岐大蛇を出した、そして大蛇に告げた。
「うちも術で攻撃かけるさかい」
「承知した」
「主殿と共にだ」
「我等も攻める」
「この八つの頭でな」
「息を吐こう」
「渾身のそれを」
大蛇はそれぞれの頭で応えた、そしてだった。
他の面々も乗りものでもある神具を出してだった、自身も含めて姿が見えたメジェドに総攻撃を浴びせた、その総攻撃でだった。
メジェドを倒した、この階での神霊は彼が最後だったが彼は倒されてから言った。
「よくやったね、それじゃあね」
「うち等は上に行ってええですね」
「その資格を得たからね」
綾乃に対して答えた。
「だからね」
「ほなそうさせてもらいます」
「是非ね、ただね」
「ただ?」
「考えたものだよ」
メジェドはその目をにこりとさせてこうも言った。
「霧にインクを入れて黒くして僕ちゃんに付けるなんてね」
「姿が見えんかったら見える様にする」
策を出した芥川が答えた。
「それが一番なんで」
「見えないことが武器ならね」
「見える様にすればです」
それがというのだ。
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