第八十八話 通天閣その六
[8]前話 [2]次話
「全然反省していないしどんどん悪くなってるってね」
「言われてるんだ」
「だからね」
そうした有様だからだというのだ。
「今度政権に就いたら」
「前以上にだね」
「あの時よりもさらにね」
「酷いんだ」
「そうじゃないかしら」
こう言うのだった。
「努力もしてないし」
「ああ、してないね」
古田もそれはと応えた。
「あの人達って」
「そうでしょ、人の揚げ足取りばかりで」
「国会で関係ないことばかり言ってね」
「そんなのだとね」
「前より酷いんだ」
「そうなると思うわ、ああはなりたくないわ」
理虹は心から思った。
「間違ってもね」
「ああなったら人間終わりだね」
「だからね」
そう思うからだというのだ。
「ああした人達にはだよ」
「投票しないことね」
「そうしないとね」
「本当にそうね、しかしね」
理虹はここで難しい顔で言った。
「大阪にもあの人達の中で有名な人いるでしょ」
「あの女の人だね」
古田は嫌そうに応えた。
「物凄く言う」
「人を疑惑の総合結社って言った」
「それで自分も捕まった」
「あの人だけれど」
「あの人絶対に信用したら駄目だよ」
古田は強い声で言った。
「もうね」
「何があってもよね」
「胡散臭いって言えばね」
「まさにそうよね」
「あの人達の中でもね」
「かなりそうよね」
「だからね」
そうした人だからだというのだ。
「若しあの人の選挙区なら」
「投票しないことね」
「そうしないとね」
「待って、あの人確か」
ここで理虹は気付いた顔になって言った。
「確か落選したでしょ」
「ああ、衆議院で」
「それで参議院でね」
「比例のトップで当選したね」
「そうなってるでしょ」
「そうだったね、つまり」
「選挙区で投票しなくても」
「比例であの政党に票を入れたら」
「通るのよ、震災の話出たけれど」
理虹は嫌そうに言った。
「あの時の総理大臣の人も」
「ああ、比例で当選してたね」
「無理矢理自分がトップになって」
比例の順番のだ。
「それでね」
「当選してたね」
「そうでしょ」
「国会議員って逮捕されないからね」
不逮捕特権である、ただし何にでも例外は存在し逮捕されねばならないと判断された場合は特例もある。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ