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第八十八話 通天閣その四
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「戦争の方が怖くない?」
「むしろね」
「まあ日本って戦争はずっとないし」
 第二次世界大戦以降というのだ。
「江戸時代なんかずっと平和だったし」
「二百年位ね」
 世界に類を見ない平和であったので世界ではミラクルピースと呼ばれている。
「そうだったしね」
「戦争のことは知らないけれど」
「災害の方が怖いかな」
「やっぱり戦争じゃない?」
「地震よりもね」
「それが他の国の子達はね」
 古田は首を傾げさせつつ話した。
「災害が一杯起こって怖いっていうんだよね」
「そうなのよね」
「まあ確かに日本災害多いしね」
「それで建物しょっちゅう壊れるわね」
「だから初代とか何代目とかね」
 建物でというのだ。
「そう言うのもね」
「意味ないかしら」
「千年もそのままある建物って日本にそうないよ」
「そういえば殆どないわね」
 理虹もそれはと応えた。
「言われてみたら」
「本当に戦争がなくてもね」
「しょっちゅう災害が来るから」
「皇居だって天守閣あったのに」 
 江戸時代初期にだ。
「大火事が起こって」
「焼けてなくなったのよね」
「そうだし京都の清涼殿だって」
 こちらもというのだ。
「菅原道真さんの祟りって言われる」
「ああ、落雷ね」
「あれで壊れたりしてるし」
「あの時物凄いことになったのよね」
「歴史に残る位ね」
 それが菅原道真の祟りと思われ彼の怨霊を鎮める為に神として祀られたのだ、日本ではこうして神となった人もいるのだ。
「そうだよ」
「もう災害で建物は壊れるのね」
「日本はね、四季もあって」
 それと共になのだ。
「災害がこれでもかってね」
「ある国ね」
「考えてみたら日本って戦争で死んだ人より災害で死んだ人が多いかもね」
「第二次世界大戦ではかなりの人が亡くなったけれどね」
「百万単位でね」
「けれど戦争より災害の方がずっと多いしね」
「地震とか台風で大勢の人が亡くなってるし」
 こうしたことも考えて言った。
「それじゃあね」
「災害で亡くなった人の方が多いかもね」
「日本だとね」
「そう思うと災害の方が怖いかな」
 古田は考える顔になって言った。
「戦争よりも」
「そうかもね。戦争はまだ避けられるしね」
「政治のことだからね」
「変な人が変なことしない様にしたりね」
「ヒトラーやスターリンみたいな人がね」
「そうよね、まあそう考えたら」
「戦争よりもね」
 理虹に考える顔で話した。
「災害の方が怖いかな」
「災害は避けられないしね」
「地震とかはね」
「そうよね、それで本当に大勢の人が亡くなってるし」
「戦争より多いかもっていう位にね」
「それじゃあね」
「災害の方が怖いかもね」
 考えがそちらに傾いているの
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