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ハッピークローバー
第八十八話 通天閣その二

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「それも着物だよ」
「上等のね」
「西陣織とかね」
「そんなの誰が買うのよ」
 西陣織と聞いてだ、理虹は口をへの字にさせて言った。
「一体」
「だからお金持ちがだよ」
「買うのね」
「それで着るんだよ」
「そうなの」
「うん、まあ僕達にはね」
「縁のないことね」
 理虹ははっきりと言った。
「もう」
「そうだよね、まあお高くいかないで」
 古田は笑って話した。
「それでね」
「今からね」
「通天閣行こう」
「そうしましょう」
 二人でこんなことを話しながら新世界の街中を歩いてだった。
 通天閣に入ってその店の中を見て回って外の景色を楽しみつつだった、理虹は古田に笑顔で言った。
「高さはスカイツリーの方がずっと上だけれどね」
「東京タワーもあるしね」
「けれど親しみやすさではね」
「通天閣だよね」
「関西でも京都タワーとかポートピアとかあるけれど」 
 それでもというのだ。
「親しみやすさではね」
「通天閣だね」
「そうよね、二代目でね」 
 今の通天閣はというのだ。
「親しみやすさダントツよ」
「そうそう、こんないい塔ないよ」
「他にね」
「それに大阪に通天閣がないと」
 実はそうした時期があった、二代目が建つまでに結構なブランクがあるのだ。
「大阪って感じしないね」
「そうよね、大阪っていうとね」 
 理虹もそれはと応えた。
「道頓堀のグリコに蟹に河豚にね」
「通天閣だよね」
「それと大阪城で」
「こうしたのがないとね」
「大阪じゃないわ」
「そうだよね」
 こう理虹に話した。
「イメージとして」
「それに四天王寺もだけれど」
「そうしたものがないと」
「大阪じゃないよ」
「そしてその中でもね」
「通天閣は」
 このタワーはというのだ。
「大阪にはね」
「欠かせないわよね」
「そう思うよ、僕としては大阪城とね」
「通天閣はなの」
「絶対のものだよ」
 大阪にとってはというのだ。
「本当にね」
「そうなのね、けれどね」
 理虹は通天閣の中の店達を観つつ古田に話した。
「私も大阪城好きだけれど」
「好きでもなんだ」
「あのお城ってね」
 大阪城はというのだ。
「秀吉さんの頃のお城じゃないのよね」
「大坂の陣で焼けたからね」
 歴史に残るこの戦いでだ、冬の陣と夏の陣があり豊臣秀吉の家はこの戦いで滅んでしまった。尚この時に豊臣秀吉は死んだが生存説もある。
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