ALO編ーフェアリィ・ダンス編ー
19.二と二の刀
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だ。あの剣と鍔迫り合いをすれば確実に負ける。あの剣は、剣と触れ合った瞬間、ものすごい衝撃波を生むんだ」
「そ、そんな.......ムチャクチャな」
シュウくんとキリトくんのHPバーを確認しようと眼を凝らすも土煙のせいで見えない。するとほぼ同時に土煙の中から雄叫びをあげながらシュウくんとキリトくんが姿を現す。
そして空中で激しい剣撃戦を繰り広げるが、明らかに二人とも押されている。
「厳しいな......。プレーヤーの技術は互角とみるが、武器の性能が違いすぎる」
「それでも........、それでも.......シュウくんとキリトくんなら......」
(あたしは信じてる、二人を!!)
二人とも押されている。ユージーンにもシータにも攻撃はほとんど当たっていない。
そしてキリトくんが急にスペルを唱える。すると黒い煙が爆発する。幻惑魔法なのだろう、黒煙はもくもくと広がり空域を覆い尽くし、地上にいるあたしたちの場所まで覆い尽くす。
「リーファ、ちょっと借りるぜ」
「わっ!?」
突然、耳元で囁き声がした。それと同時に、腰の鞘から愛刀が抜かれる感覚が。
「き、キリトくん!?」
慌てて振り向くが、すでに誰もいない。すると、上空から何かが地上に勢いよく落ちてくる。その勢いで地上を覆い尽くしていた黒煙が晴れる。地面に爆音が響く。
その光景にまたも絶句した。
私の隣に突き刺さるシュウくんの槍。そして、倒れこむシュウくんの姿が.......
「シュウくん!?」
「お、おう......リーファ......その槍とってくれないか」
シュウくんは痛みに堪えながらも立ち上がり、メニューウインドウを開き、何かを確認している。
「よしっ!!リーファ、槍を!!」
「う、うん」
シュウに槍を投げる。
すると、彼は右手に片手剣、左手に槍を持ち空高く舞い上がり、スペルを唱える。するとシュウくんの姿が消える。
多分、シュウくんはスペルを確認し、消視魔法で姿を眩ましたのだろう。
「いないヨ!」
そこには、キリトくんの姿もシュウくんの姿も見えない。空中には、敵のサラマンダーが浮かぶだけだ。
「まさか、あいつら、逃げ......」
背後で、ケットシーの一人が呟く。その言葉が終わる前に強く叫んだ。
「そんなわけない!!」
祈るように眼を瞑る。
(シュウくんとキリトくんが逃げるわけない)
すると、上空から飛翔音がだんだんと大きくなる音と徐々に聞こえてくるカタコトのスペルが聞こえる。
「スライ......アメイ.....イット.....イエット....ノオ....メイ....テイル....ウント......メイン......ウボン!!!」
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