第百九話 生と死その二
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「大変なことになるわよ」
「自分達が交通事故起こすのね」
「そうなるわよ」
「そうね」
咲のその言葉に頷いたのだった。
「人を死なせたり自分が死んだり」
「そうなるわよ」
「実際にね」
「だからね」
そうなるからだとだ、咲も言った。
「そうなったら」
「車を運転する様になったら」
「注意しないとね」
「お互いにね」
こうしたことを和した、そしてだった。
咲はあらためてだ、クラスメイトにこう言った。
「けれど本当に死ななくてね」
「その先輩ね」
「よかったわね」
「そうよね、大怪我でもね」
「生きていたら」
それならというのだ。
「何よりよ」
「本当にそうよね」
クラスメイトもそれはと応えた。
「私もそう思うわ」
「人間生きていれば」
「それで何か出来るわね」
「大怪我をしても」
今回の様にというのだ。
「生きていれば回復して」
「また元気になって」
「動けて」
そしてというのだ。
「何か出来るし」
「ちなみに後遺症がある様な」
「そうしたものじゃないのね」
「確かに大怪我だけれど」
それでもとだ、クラスメイトは咲に話した。
「後遺症はね」
「ないのね」
「だからね」
それでというのだ。
「よかったわね」
「尚更ね」
「後遺症もなかったら」
「それに越したことはないわね」
「そうよね」
「いや、死んだら」
そうなった場合についてだ、咲は深刻な顔で話した。
「その一生は終わりだしね」
「その一生?」
「だって人間生まれ変わるでしょ」
咲は同級生に自分の考えを話した。
「輪廻転生で」
「ああ、そういうことね。生まれ変わりってあるしね」
クラスメイトもその考えを否定しなかった。
「実際にね」
「そうでしょ」
「ええ、人間死んだらね」
「また生まれ変わるわ」
「そうよね、実はね」
クラスメイトは咲に真顔で話した。
「私のひいお祖父ちゃん三年前に亡くなったの」
「そうなの」
「けれど去年従姉のお姉ちゃんに子供が生まれて男の子だったけれど」
その子のことを話すのだった。
「ひいお祖父ちゃん左手の甲に黒子あったけれど」
「その子の左手の甲にも?」
「そう、黒子あったのよ」
「そうだったの」
「お顔もそっくりでね」
「じゃあその子は」
「親戚皆で言ってるの」
まさにというのだ。
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