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第二十七話 集結その十

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「変わらないとね」
「思っていたよね」
「今までね。けれど」
「変わるよ、運命は」
 北斗はにこりと笑って答えた。
「これまで言ってきた通りね」
「まだ何も決まっていない」
「だからあの娘は助かったね」
「そうだね、もう何があっても」 
 それこそとだ、牙暁は北斗に答えて話した。
「彼女は殺される筈だったんだ」
「地の龍の神威にね」
「彼のお兄さん、封真がそうなったけれど」
「彼に殺される運命だった」
「けれどそれが」
 その運命がというのだ。
「そうはならなくて」
「殺されなくてね」
「彼も心を失わなくて」
「彼女は天の龍の神威のところに行ったね」
「そうなったよ。まさか本当にね」
 牙暁は北斗を見て彼女に言った。
「君の言った通りになるなんてね」
「私もそうなって欲しいと思っていたけれど」
「実際にそうなるとはだね」
「わからなかったわ、だからね」
 北斗は自分と正対しその目を見て語る牙暁に言葉を返した。
「嬉しいわ、皆無事でね」
「それでだね」
「うん、凄くね」
「・・・・・・本当に何も決まっていないのかもね」
 牙暁はここで上を見た、夢の中の虚空漆黒のそれを見つつ語った。
「運命は」
「そうだよ」
「それじゃあこれからのことも」
「何もね」
「決まっていなくてだね」
「どうなるかはね」
 それはというのだ。
「これから次第だよ」
「皆の動き次第だね」
「心の在り方とね」
「それでどうにも変わるんだ」
「そうだよ、だからこれからもね」
「僕達はだね」
「見ていよう」
 こう言うのだった。
「そうしていこう」
「それじゃあ」
「うん、そしてね」
 北斗はさらに言った。
「最後一緒に笑おう」
「いい結末になって」
「そしてね」
「そうなれるかもね」
 牙暁は微笑んで述べた。
「僕も何かね」
「考え変わってきた?」
「絶望しかなかったけれど」
 北斗に微笑んで話した。
「何とかね」
「小鳥ちゃんのことが大きいわね」
「何と言ってもね、今夜にもね」
「あの娘とお話するのね」
「そうしてくるよ」
 北斗に返した。
「是非ね」
「そうしたらいいわ、実は人間を滅ぼしたいのは一人でしょ」
 北斗は牙暁に問うた。
「そうでしょ」
「わかっているんだ」
「何となくね、だって地の龍の人達にもね」
 人減を滅ぼそうとする彼等もというのだ。
「牙暁ちゃんこそうだけれど滅ぼしたくないでしょ」
「そうだね、そう言われるとね」
「誰もよね」
「そうしたことはしなくないよ」
「そう言われて運命と思っていて」
「流されるのもいいと思っていたりね」
 遊人の考えも述べた。
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