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黒崎一護の異世界物語
◇説明と現在と契約
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ノエルもファリンも今まで見たことも無い行動に驚きを隠せない様子。

すずかは震えた唇を開いた。

「………して」

「ん?」

「どうして……驚かないの?」

信じられないと目を見開くすずか。罵倒されると思っていたのだから一番信じられないようだ。

「まぁ吸血鬼より信じられねぇだろ?死神なんて。それに?すずかはすずかだろ?」

「血を吸う……化物……何だよ?」

「危険性だけならすずかより俺のほうが危険だぞ?」

それは一護の本心である。破面や自身の虚化。殺ろうと思えば一瞬ですずかを殺せるのだ。

「怖く………ないの?」

「全然。俺から見たら普通の女の子にしか見えねぇよ」

そんな、一護の言葉に恐怖で固まっていたすずかの心がほどけた。

すずかは一護の胸に飛び込んだ。

泣きながら震えるすずかを、妹の遊子と夏梨をあやすように受け止めて頭を撫でる。

そんな二人に玩具を見つけた子供のような表情を向ける忍。

「ねぇ?一護君」

「あん?」

「私達夜の一族の秘密を知った者にはある契約をして貰うのが決まりなのよ」

「契約?て、事わ何か?何か血でも飲ませんのか?」


「それもあるけど契約は簡単よ。私達の事を忘れるか、それとも忘れずに一緒いいるか。たったの二つよ」

「忘れる?どうやって」

「私達夜の一族には相手の記憶を少しながら操る力があるの。だから私達の真実の部分だけを消去するの」

「ふ〜ん。答えなんて決まってんだろうが。別にあんたらが吸血鬼だろうが狼女だろうが宇宙人だろうが知らねぇよ。俺は忘れねぇ、契約する」

「本当にいいの?私達は人間じゃないのよ?貴方の血を吸って人形にするかも知れないわよ?」

「そこまで念押しにすんだ。忍や皆が良い奴だってのは理解出来てるよ」

「わかったわ。それじゃ本当にこれで最後。黒崎一護君………絶対私達の秘密を誰にも話さないかしら?」

「あぁ。喩え人質にされようが何されようが絶対誰にも話さねぇ」

真剣な光を灯す一護の瞳を見て忍は微笑んだ。

この子なら信じられる。絶対に裏切らない。

忍は笑みを浮かべながら天井を……否、天井のさらに上の大空を見上げる。

どうか。こんな日がずっと続きますように。

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